Thursday, December 25, 2008

世界のクリスマス2008 ~マレーシアの場合~









☆”*。今日は12月25日クリスマスですね。* ”☆




蟹江が小学生のころ、クリスマス・プレゼントは自転車が欲しい!!といったら、

「うちは、神道で、キリスト教じゃないから、クリスマスにプレゼントはないよ」とあっけなく言われました。(涙)

ところで、他のアジアの国はどんな風に過ごすのかしら・・・?

早速、イスラム教、ヒンズー教、キリスト教、仏教と色んな宗教を持つ人々が住む国、

クアラルンプール日本文化センターにお伺いしてみました!







マレーシアは多民族の国*1 で、キリスト教徒の人口は10%に満たない*2 のですが、クリスマスのこの時期、ショッピングモールなどの商業施設は日本に負けないくらいクリスマス一色になります。

f:id:japanfoundation:20081225183415j:image←とf:id:japanfoundation:20081225183414j:image←は、

一時期世界一高かったペトロナスツインタワーの足元にあるKLCCというショッピングモールの吹き抜け広場のツリーですが、

これ、地下1階から地上4階までを貫通していて、多分国内最大のクリスマスツリーだと思われます。

因みにこういうショッピングモールの飾りつけは、イスラム教の断食明け、中華系の中国正月、ヒンズー教のディーパバリと、季節ごとのイベントに併せて色んなものが登場し、クリスマスだけが特別というわけではありません。

ここからは、クアラルンプール日本文化センターに隣接する、Megamallというショッピングモールで撮った写真です。f:id:japanfoundation:20081225183413j:image



この写真なんか、「これでもか!」と言わんばかりに量で勝負してます。




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↑は、多分中東からの外国人観光客と思われます。実は、マレーシアは中東からの観光客が結構多くて、7-8月のピークシーズンには黒ずくめの女性を至る所でよく見かけます。

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コーヒーショップの店員さん

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はMegamallのコンシェルジュ・カウンターのスタッフで、

多分皆さんマレー系(=イスラム教徒)と思われますが、サンタ帽を被っていたので「写真撮らせて」と言ってみたら、気軽にポーズを取ってくれました。イスラム教徒の同僚に聞いてみたところ、サンタ帽を被るのはについては宗教的に問題ないようです。

Megamallでは発見出来ませんでしたが、トゥドゥン(女性のイスラム教徒が被るスカーフ)の上からサンタ帽を被っているのを見た、という証言もあります。

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↑これは、ブティックの店頭のマネキンですが、こういう格好をして歩いている人は見かけません。

念のため。f:id:japanfoundation:20081225183407j:image←これは、

モールの中をきょろきょろしながら歩いていて発見したカップル。

男性が着ているのは、宮崎県の某草野球チームのユニフォームです。

クリスマスと何の関係もありませんが、気になったので「今、マレーシアの中の日本をテーマに写真を撮ってるんです」との口実に写真撮影をお願いしたところ、気軽にポーズをとってくれました。




マレーシア、いやぁ本当にいい国です。




因みに、先日キリスト教徒の友人宅を訪ねた際には、ドアにリースが飾ってあり、

家の中には小さなツリーと、たくさんのクリスマスカードが飾ってありました。

以上、まとまりがありませんが、マレーシアのクリスマス事情でした。





ふむふむ、マレーシアのクリスマス、なんとも楽しそうですね!!

宗教を問わず、イベントを楽しむその広い心、是非ともあやかりたいです。(そして、蟹江の両親にも是非伝えたい・・・)

日本は、12月24日のクリスマス・イブにメインにお祝いしますが、

本日25日がクリスマス本番です。

ちなみに、スーパーではクリスマスケーキがディスカウントで売っておりました!

今からでも宗教を超えて、楽しくお祝いするのもいいかもしれませんね☆



*1:マレー系(66%)、中国系(約26%)、インド系(約8%)、その他(1%)(在マレーシア日本国大使館ウェブサイトより)

*2:宗教別の人口:イスラム教徒59.1%、仏教徒20.2%、キリスト教徒9.1%、ヒンズー教徒6.5%(JISMOR, No. 1, 2005)




Monday, December 22, 2008

文化でつなぐ平和への想い









かなり久々の登場、しろうさぎです。


(新しい読者の方はご存じないかと思いますが、このブログの初期チームメンバーで、その頃はブログ上でもブイブイ言わしていたんですが(?)、最近はすっかり遠ざかってました。)


このたび、縁あって、蟹江ちゃん担当の部署の事業を勉強のために覗かせてらうことができて、


「か、感動・・・」と思っていたところ、「その報告をブログに書いて!!」とお願いされましたので、遠慮なく、書かせてもらうことになりました。








* * * * *


時は、師走かつクリスマス前。しかも金曜夕方。人々が浮き足立つころ。


正確には、12月19日、午後3時。


四谷三丁目の国際交流基金本部ビル2階には、なにやら不思議な陶器の数々が並んでいます。


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日本の『埴輪』も髣髴とさせる、素朴で、温かみのあるこの作品たち。


日本の若手作家の作品?試作品?なんだろう?








なんと、これはアフガニスタン イスタリフ村から来日した


若き2名の陶工(ヌール・アフマッドさんとアブドゥル・マティンさん)が、20日間の日本滞在中に、焼いた陶器なのです。


お皿や器しか製作した事の無いイスタリフ焼では初めての大きさ・初めての造形だそうです。


彼らは、12月上旬に国際交流基金(ジャパンファウンデーション)の招きによって、来日しました。


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担当したKさんによると、これは2005年に行われた事業のフォローアップだったそうで、2005年は、計15名が来日、視察中心で陶芸の里などに行ったそうです。


今回は、前回来日者のうちの最若手の2名が呼ばれました。


目的は、


1.日本の陶芸の技術と伝統を、アフガニスタンの陶芸の発展に役立ててもらうこと、


2.陶芸という芸術文化における日本・アフガニスタンの協力構築、だったとのことです。


しろうさぎ自身は、現在、「紛争後の地域における平和のために文化事業が果たしうる役割とは何か」というテーマで、来年初夏に行うシンポジウムを準備していることもあり、今回は、Kさん率いる、このプロジェクトを勉強のために報告会を覗いてきたわけです。


印象は、


1.同じ陶芸という分野で通じ合える、


2.一見、細かいところ、地味なところから、感謝される協力関係が作れる、?続けてゆくためのハードルを如何に越えてゆくかは、担当者の力量・気持ちにずいぶん関わってくる(その意味でも、今回のご担当、Kさん、他の方、お疲れさまです!)。








・・・ただ、わたくし、焼き物についての知識はまったくの素人なので、間違いがないように、と願いながら、書いてゆきます・・・


受け入れにご協力をくださった、永岡泰則先生(岐阜県恵那市串原・李朝陶磁)は、ガス窯による焼き方を今回の研修内容に選んだ理由として、以下を挙げてくださいました。


【永岡先生】・ イスタリフ焼には、体に有害とも言われる鉛が多く検出されてしまう。現在の焼成温度は薪による窯のため焼成温度が900度ぐらいまでしか上がらないが、ガス窯にすることにより1100度以上に上げることが可能となる。高温で焼き上げることは鉛分の検出を防ぐことにも繋がり(鉛分検出の原因は他にも土・釉薬も考えられ、一長一短には改善出来ないが、ガス窯の導入は一つの改善点である。)また現在抱えているイスタリフ焼きが脆いという欠点も改善することが出来る。


・ アフガニスタンではプロパンガスが少しずつ普及してきて、金額もだんだんと安価になってきている。ガスを使えば、従来の薪を使用する窯の場合に問題になっていた、森林伐採をしなくてすむ。エコロジーにも適している。


つまり、日本のものを教えるというスタンスではなく、あくまでも、アフガニスタンの役に立つものを、日本が持っている多くの技術の中から、選らんで、カスタマイズして、伝える、ということなんですね。だからこそ、相手の国にも、長期的な結果を残すことをより期待できる、というわけですね








☆ ☆ ☆ ☆ ☆


さらに、会の終了後、受け入れてくださった、もう一人の先生、白潟八洲彦(しらかた・やすひこ)先生(愛媛県砥部焼伝統工芸士、一級技能士)と立ち話をすることができました。


おもしろいお話・・・・!


【白潟先生】


「日本の田んぼの『田んぼ足袋』が、アフガニスタンの彼らから見ると、焼き物の土をこねるときに、かかとを守ってくれて、とってもいいって言うんだ。ゴム長靴は、底が強すぎてダメ。足袋がちょうどいいらしい。彼らも買って帰った。高価なものや、最先端技術ではない。一足950円。こんな形で、意外なものが役立つ。感謝される。」


(足袋が、アフガニスタンの陶器を焼く現場で役に立つなんて、おもしろいですね!)


そしてそして、感動したお話・・・!!!!!



【白潟先生】「





今、新しい技術を守っておけば、必ずや、また平和が訪れたときに、海外にもこれだけ知られている場所だから、イスタリフの工芸品を求めて、多くの人が外国からも訪れてくれるものと確信している。


その日のために、今、やっていることが、将来、遠い先にでも、今回来日したヌールさん、マティンさんをはじめ、皆さんの手と記憶を通じて、残っていってくれれば、何か残すことができるのではないか。」





・・・・聞いているこちらも、心がふわーーっと、熱りました。


師と仰がれる方の大きさが伝わってきます。








すでに、2人の師匠と、師弟愛を築きはじめた、陶工たちの友情・愛情。


いつの日か、平和で豊かなアフガニスタンの地に、工芸品が栄え、人々の心を豊かにし続けることを願ってやみません。








もちろん、復興は、決して簡単に達成されるわけではありません。


報告会でも、課題として、伝統技術の維持と現代にあわせた変化をどうやって折り合いをつけてゆくのか、と言う点があがっていました。


また、当日言及はありませんでしたが、どのようにして彼らの自律的な発展を目指した出口(EXIT)計画を実施者として作るか、なども重要な点でしょう。








これら、簡単な答えのない難点を含みながらも、まずは、ひとつの事業が遂行されたこと、


参加者が笑顔でプログラムを終え、何度も「ありがとう、Thank you」と繰り返していたことを心に留めていきたいと思ったのでした。








東京のオフィスにいつつ、世界の平和と復興に思いを馳せた1時間でした。


町中が「ハッピー」になるこの季節。皆さんも、世界中の、遠くて近い人たちとの将来について、少し考えてみませんか。


しろうさぎ





Friday, December 19, 2008

ワンワールドフェスティバル



この週末、12月20日(土)10時~17時、21日(日)10時~16時、大阪市上本町8-2-6の大阪国際交流センターで、毎年恒例のワンワールドフェスティバルhttp://www.interpeople.or.jp/owf/index.php


が開かれます。多くのNGO/NPOや教育機関、国際機関、政府機関など様々な団体が参加します。当然、国際交流基金も参加します。


関西にお住まいのみなさま、どうぞおこしください。


国際交流基金は、パネル展示の他、20日(土) 15時~17時に、「日本語教師びっくり異文化体験?」と題して、 クイズ&トークイベントを開催します。世界の日本語教育の様子や国際交流基金の日本語教育事業について、関西国際センターで海外からの研修生に日本語を教えており、海外での指導経験も豊富な日本語教育専門員がご紹介します。海外での日本語教教育や日本語教師の仕事に興味のある方はぜひご参加ください。





Wednesday, December 17, 2008

ステレオタイプを乗り越えろ!






ベトナム出張から戻りました久保田です*1





先日の記事でもとりあげたTBSラジオ・ライムスター宇多丸のウィークエンドシャッフル。所用で13日(土)の放送を聴くことができなかったのですが、番組ホームページを見たら、なんと「シネマランキング2008」でシークレット・サンシャインが1位になっているじゃないですか!





そもそも番組で宇多丸さんが激賞しているのを聴いてから観にいっているわけで、結果として先日の記事に書いた「2008映画 個人的ベスト5」でプッシュしたシークレット・サンシャインが1位になったからといってどうってこともないといえばどうってことないのですが…。




まあともかく、本当にいい作品なんで*2、しつこくリマインドします。シークレット・サンシャインは、12月19日(金)まで高田馬場の早稲田松竹でリバイバル上映中です。もしご興味のある方はぜひ足をお運びください。





宇多丸さんつながりでもう1つすごく良かったのが、11月29日放送分の読書特集でおススメ本として挙げられていたこの本。出張中に読みました。






「集団主義」という錯覚―日本人論の思い違いとその由来

「集団主義」という錯覚―日本人論の思い違いとその由来









読みながら、我らが小川忠さんへのインタビュー(Part2)で小川さん*3がこんなことをおっしゃっていたことを思い出しました。






国際交流を通じて相互理解を深めていくという行為は、人の「先入観」とか「偏見」をひっくり返す、ということだと思います。国際交流の世界で25年働いてきて、経験則的にいえるのは、人は誰でも、無自覚のうちに偏見や先入観を持っていて、これを満たしてくれるものを書いたほうが喜ばれたりする。安心できるんでしょうね。その思いを満たしてくれないものは失望されることも多いのです。






自分もしばしば乱暴な議論をしてしまうことがあって、僕もずっと「どうして人は先入観や偏見を持ってしまうのだろう? 無知や経験不足や「目の前にある事実だけが絶対とは限らない(=だから言説でも何でも一旦は疑え)」といった警句だけで片付けられない原因があるのだろうか?」と思っていました。本書は、日本人=集団主義、欧米人=個人主義という強固な通説との相対し方をとおして、様々な知慧を提供してくれます。誰が読んでも収穫が多い著作であることは間違いありませんが、文化交流に興味がある方にとってはとりわけ必読の書だと思いました。




この本は「偏見」に由来する思いを満たしてくれる本ではありません。厳密な思考から導き出されたしっかりとした裏づけで読者を説得してくれる誠実さに満ちた本だと思います。みなさま、ぜひご一読ください!*4




*1:まだ報告書が書けてません(泣) 出張中の出来事についてはまたこのブログでも書きたいと思います。


*2:この映画と通底しているなと感じたのがE.レヴィナス『困難な自由』でした(例えばそのなかの1篇「神よりもトーラーを愛す」)。同書は内田樹先生の新訳で国文社から出ています。


*3:小川さんはジャパンファウンデーションの日本研究・知的交流部長兼日米センター事務局長です。JFサポーターズクラブにスタッフ紹介が掲載されています。


*4:毎日新聞紙上で沼野充義先生も書評されています。





Tuesday, December 16, 2008

 伝統の力。






みなさんこんにちは。


お久しぶりのオレペコ@空港閉鎖の解けたバンコクです(~ヘ~;)。





f:id:japanfoundation:20081215140657j:image:right:w280今日は、つい先日行われた、「歌舞伎錦絵展覧会&歌舞伎舞踊レクチャーデモンストレーション」(ちょっと長くてむずかしい名前ですね・・・)の模様をお伝えしようと思います。




この事業は、歌舞伎錦絵*1の展覧会にあわせ、その錦絵と深いつながりのある「歌舞伎舞踊」公演を実施することで、日本の伝統文化についてより深く理解していただこう、という企画。バンコクでの展覧会は12月9日から20日までの約2週間。そのオープニングを、華やかな歌舞伎踊りで彩ろうという試みでした。




最近、日本の漫画やアニメ、コスプレなどのポップカルチャーが世界中で注目されていますが、今回、オレペコが実感したのは、「やっぱり日本の伝統ものは強いなあ」ということ。この事業も、PRを開始した直後から申し込みが殺到し、1日2回公演の予定だったのですが、両公演ともあっという間に席が売り切れる人気ぶり。タイの全国紙などのメディアも、大きな写真入りで告知記事を書いてくれました*2。 事業終了後のアンケートでも「(このようなすばらしい舞台をするのには)座席が少なすぎる!」「会場が狭すぎる!」といった、ある意味ありがたいお叱りのコメントもいただいたくらいです。





特に観客のみなさんが気に入ってくださったのは、今回のイベントの構成。


およそ100分ほどの公演の中に、レクデモならではの盛りだくさんな内容が詰め込まれていました。歌舞伎の本公演のような大掛かりな舞台装置や迫力はない代わりに


「あの着物、どうやって着るの?」


「あの独特のメイクにはどういう意味があるの?」


といった、素朴な疑問にしっかりと答えてくれ、また、一つ一つの舞を本当に間近に見ることのできる、ある意味ものすごく貴重な時間だったと言ってよいでしょう。これを見て、「今度は本公演を見てみたい!」と思った人も多いはず。また、デモンストレーションを見終えてから展覧会場に戻り、歌舞伎のスターや有名な演目の一場面が描かれた歌舞伎錦絵をじっくりと眺める人々の姿が印象的でした。





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<<化粧・着付デモンストレーション。「おちょぼ口がセクシーだった」「ぱっちりした二重ではなく、すっきりした一重が美人だった」と説明が入る度に「うそー!ありえなーい!」と会場に笑い声が漏れました。また、二人がかりで着物を着せる様子に皆さん興味津々>>





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<<日舞の手のテクニックを全員で練習!踊り大好きなタイ人、全てのテクニックを覚えたあとで、タイの人気歌手のポップソングで全員一緒に日舞を舞いました!写真右は、自分でやってみたあとに見るとまた一味違う、静御前の舞>>








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<<繊細で美しい錦絵、隈取の写真パネルなどに見入る人々>>








さて、そんなこんなで大成功のうちに幕を閉じた錦絵展覧会のオープニング。


翌朝、オレペコが会社に行ってみると・・・日本語の先生を育成する事業を担当しているスタッフからうれしい報告が。「今朝、教室に入ってみると、生徒さんたちがみんなで、日舞を踊ってましたよー。しかもみなさん「手」がすっごく上手にできてました!」と。





文化芸術事業と日本語事業。

とかく個別に物事を進めがちなのですが、最近は、文化芸術事業を積極的に日本語事業部にも案内するようにしている、その成果がで出ていることが感じられて、これはうれしい収穫でした。前にもこのブログで紹介した*3、日本語の先生の「卵」たち。彼ら、彼女らが今回の事業を見て、肌身で感じてくれたこと、それが来年、再来年と、地方のタイの若者たちに伝わっていく。その広がりこそが私たちJF職員が求めているもの。一過性のイベントで終わらせないことがとてもとても重要なことなのです!




*1:浮世絵と同義で使われることもありますが、より正確には、浮世絵のうち、多色刷りの木版画のことを指します。


*2:たとえば、タイの二大英字紙のひとつ、The Nation のWEBバージョンにはこんな記事が⇒ 。あと、takaさんは、こんな告知記事を書いてくださっています!


*3:新規研修の先生に関するブログはこちら





Friday, December 12, 2008

プログラム担当者の今日この頃









☆。.:*:・'あっという間に12月ですね☆。.:*:・'











『文化の秋』とはよくいったもので、国際交流基金の事業は10月11月に集中する傾向にあるようです。








振り返れば、秋には、蟹江も複数のプロジェクトを同時並行で進めていました。10月後半から11月にかけて、アニメの専門家に中米に赴いていただき、レクチャーを行って頂きました。


11月半ばからは、日本料理アカデミー様のご協力の下、料理人の先生方にアメリカに赴いていただき、日本食紹介事業を行いました。 


その準備をしながら、文化人招へいプログラムでマレーシアからお招きした国立美術館長の、


日本国内の各主要美術館の方々との面会をアレンジし、今度は日本からベトナムに文化財保存の専門家を派遣し・・・・

4つのプロジェクトを同時並行に進め、何とか無事終えることができ、ほっと一息・・・*1


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ちなみに、この写真は、マレーシア国立美術館館長が日本国内の各主要美術館を訪問した際に頂いたカタログです。






文化企画課の机を覆いつくすほどの量!!


各先々で頂いたカタログをマレーシアにお送りしようと思ったら、ダンボール2箱分になりました♪







文化人招へいプログラムについては、この「地球を開こう」ブログでも何回か取り上げていますが、*2


お越しになる文化人の方の専門やご希望を伺いつつ、日程を組んでいきます。


約2週間という限られた滞在期間の中、出来るだけ実りの多い滞在にしていただこうと、気がついたら、スケジュールがいっぱい・・・なんてことも。


大忙しな滞在日程になることがほとんどです。


マレーシア国立美術館長をお招きした今回のプログラムでも、東京→福岡→広島→京都→金沢→東京を10日間で回るというなんとも強行スケジュール。


東京だけでも、


「横浜トリエンナーレ」から始まり、


・国立新美術館の


「巨匠ピカソ 愛と創造の軌跡」展「日展」





・森美術館の「チャロー!インディア:インド美術の新時代」展





ミズマアートギャラリー様





・東京都現代美術館 


「ネオ・トロピカリア/ブラジルの創造力」


「森山大道 ミゲル・リオ=ブランコ 写真展─共鳴する静かな眼差し」





・東京国立近代美術館、「沖縄・プリズム 1872-2008」と、


今、注目されている数えきれない展覧会を見るだけでなく、美術関係に携わる様々な方々とお話し、日本での人脈を広げるとともに、日本理解に努められました。



特にお気に入りだったのが、この東京都現代美術館の展示。


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この葉っぱ、実は、ある機能の役割を果たしているのです!!

さて何でしょう。*3


強行日程な中でも、Najib館長は、精力的に訪問し、様々な人とのお話しを通じて、日本を堪能され、「今回の来訪ですっかり日本のファンになりました」と仰ってくださいました。


なんともありがたいことです。


これを言われると、どんな疲れもふっとびます。


今回の訪問をきっかけとして、日本とマレーシアの交流の芽が育っていけば、とつくづく感じました。




*1:と思うまもなく1月から英国から来日予定の文化人のアポイントに追われています。


*2http://d.hatena.ne.jp/japanfoundation/20080708/p1
http://d.hatena.ne.jp/japanfoundation/20080212/p1
http://d.hatena.ne.jp/japanfoundation/20071128/p1
http://d.hatena.ne.jp/japanfoundation/20070417/p1


*3:気になる方は、是非、東京都現代美術館へ!! (まわしものではありません)





Monday, December 8, 2008

をちこち26号、刊行しました!






f:id:japanfoundation:20081208101540j:image:left


2008年は日英交流150周年。


それをきっかけに、改めてイギリスに向き合ってみよう、というのがこの号です。政治・経済・環境、いろんな面で没落した時期があるイギリス。でも、常に復活するイギリス。伝統を大切にする。でもビートルズやパンクファッションも生み出す。そんなイギリスの底力に迫ってみました。





巻頭鼎談は、黒岩徹さん〔元毎日新聞欧州総局長)、小林章夫さん(上智大学教授)、新井潤美さん(中央大学法学部教授)の3名が参加。


在英経験の長い方たちならではの、イギリスの強さの秘密やメンタリティを語っていただきました。成熟したオトナの国であり、モンティ・パイソンをはじめ「ぎりぎり」のユーモアを楽しむイギリスを研究されている方たちだけあって、「ぎりぎり」のユーモアもまじえながら、深い話をしていただきました。12ページの枠に抑えるのが辛かった(><)、内容たっぷりの鼎談です。





それから、在ロンドンのエッセイストである入江敦彦さんはイギリスの「元気の素」についての軽妙なエッセイを、イギリスでの活躍も目覚しい野田秀樹さん()には、なぜイギリスで上演し続けるのかをお聞きしました(聞き手:長谷部浩氏/演劇評論家)。


今回も豪華メンバー。ぜひご一読ください。感想もぜひ!





話といえば、


■野田秀樹さんへのインタビュー。NODA MAPの舞台が好きなワタシには夢のような企画。ICレコーダーをもって、わくわくインタビューの場にむかったのですが、これが、面白い!! 「野田秀樹論」を執筆した長谷部先生との相性はばっちりで、ユーモアたっぷり、深い話もたっぷり。当初は4ページの予定だったのですが、「これはページ数を増やさねば!!」ということで、ほぼ倍の7ページを充てることになりました。


■特集タイトルが落ち着くまでにも、時間がかかりました。もともとは「再生する英国」を予定していたのですが、ちょーど、そこで、金融危機が・・・。英国がもつ底力に目をむける、というコンセプトに変わりはないのですが、どうしようかと。ちなみに、他のアイディアとしては、「がんばれ!イギリス」「イギリスの元気の素」など。





号は「世界の研究者が見つめるNIPPON」。国際交流基金の柱のひとつ、日本研究をとりあげます。


日本研究の変遷と現在の動向、将来の展望を語る、と書くと、ちょっと堅いのですが、いろんなNIPPONを研究している方たちに登場していただく予定。日本の政治や経済はもちろんのこと、ヤクザ、ジャズ文化に落語、クモ合戦に獅子舞。なんで、こんなNIPPONに興味をもったのか? そもそもリサーチってどうするの? そんな話もとりあげる予定です。どうぞお楽しみに!





Friday, December 5, 2008

今年の(個人的)ベスト映画が名画座で観られる!






昨日、新宿バルト9で『ハッピー・フライト』を観て心楽しい久保田です。





僕は趣味が読書と映画観賞で、この2つについては放っておいても身体が自然に求めてしまいます。


内田樹先生の影響で、小津安二郎監督の作品を観るようになって以来、ずっとこんな状態です。

『秋刀魚の味』*1や『晩秋』『秋日和』は今でも大好きな作品です。




それ以来、内田先生から町山智浩さん*2、ライムスターの宇多丸さん*3と芋づる式に触手を伸ばし、彼らの映画評論に導かれながら映画を観続けています。





今年映画館で観た映画のなかですぐに頭に浮かぶ=個人的ベストは5作品。






『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド(There Will Be Blood)』


『シークレット・サンシャイン(Secret Sunshine)』


『ぐるりのこと』


『ホット・ファズ(Hot Fuzz)』


『ダークナイト(Dark Knight)』






どれも本当に(ポジティブに/ネガティブに)心が震える映画でした。




この5つの作品、振り返れば、すべてが町山・宇多丸ホットラインがきっかけで映画館に行ったものでした。懸念されるのは*4『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』と『シークレット・サンシャイン』は上映館があまり多くなかったため、その存在に気づかないままに終ってひとが多いのではないかということ。こういう見ごたえがあって、見た人を深く考えさせる映画は、もしかすると商業ベースには乗りにくいのかもしれませんが、観た人は絶対「最高!」って言うんじゃないかと思うんです。





そんななかの1本『シークレット・サンシャイン』は12月13日からの1週間、高田馬場の早稲田松竹でリバイバル上映されることになりました。さらには、小津安二郎監督の『晩秋』『秋刀魚の味』、エドガー・ライト監督の『ホット・ファズ』も上映される模様。12月から1月にかけての早稲田松竹のラインナップは要チェックです、勝手におすすめします!『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』の早稲田松竹での上映はもう終ってしまったのですが、DVDがもう出てます。ポール・トーマス・アンダーソン監督、恐るべしです。





以上、12月-1月の(勝手に)おススメ情報でした。




*1:若き日の岩下志麻さん@『秋刀魚の味』、美しい・・・


*2:町山さんのポッドキャスト連載『アメリカ映画特電』。『映画秘宝』の歴史の回と『真説・ザ・ワールド・イズ・マイン』の回はしびれます。


*3:TBSラジオ・ライムスター宇多丸のウィークエンドシャッフル。めちゃくちゃおもしろいです! 特に今年7月26日のポッド・キャスト「町山智浩・高橋ヨシキ・平山夢明 3大野獣による鼎談」は面白すぎて腹が捩れます。もちろんライムスターの本業はラップ!! 曲も最高です。


*4:多くの人に観て頂きたいという意味で勝手に懸念しています。





Monday, December 1, 2008

日本語能力試験まであと1週間!






12月7日。




年に1度、日本語学習者にとって大きな意味を持つ日が今年もまたやってきます*1


1984年に開始されて以来、今年で25回目となる日本語能力試験の実施日です。




このブログでも昨年のこの時期、潮風さんが記事を書いています*2


私、久保田はまさにこの試験の海外での実施を担当しているのですが、試験当日を目前に控え、バタバタした毎日が続いています。




昨年度、全世界での応募者は約63万人だったのが、今年はさらに3万人増えて約66万人(!)。なかでも日本国内、タイ、香港、ベトナムで応募者数の伸びが顕著です*3





普段仕事をしているときには66万人というのは実績の数字なので驚いたりしている暇もないのですが、いまこれを書きながらあらためて考えると、1日に66万人が受ける試験って・・・・・・。





個人的な思い出ですが、以前、台湾に留学していたころ、たくさんの友人がこの試験を受けていて、現地の友達と対策を練ったりしていました。ただ、そのときはこの試験の受験者数がこんなに多いとは想像すらしていませんでした。日本語の公的試験を受ける方々が66万人もいるという状況を、その当時の僕みたいに知らない日本人もたくさんいるのではないでしょうか。





この試験は基本的に「日本語を母語としない方」が受ける試験です。すると受験者は必然的にそのほとんどが外国人ということになります。広報もできる限りがんばっているのですが、日本語の学習者への広報が主になってきます。そうすると、日本語教育関係者や教育機関関係者、あるいは日本語を学んでいる外国人のご友人がいる方でもない限り、この試験が現状どのような試験であり、また今後どのように展開していくのか、知らないひとがほとんどなんじゃないかな、と想像しています。




僕はこのような現状を多くの日本人にも知って頂けたらなと思っています*4





さらに、国際交流基金(ジャパンファウンデーション)は、現在年に1回であるこの試験を、2009年から年2回実施する予定です(試験の年複数回化)。また、2010年からは25年の伝統を持つこの試験を、よりよいものにしようと鋭意準備を進めています(改定新試験の実施)。このような新しい動きについても、いろいろな形で広報を行っていけたらと考えています。





日本語能力試験という試験がどのように作られ、そして運営されているのか、外部からはわからない部分もたくさんあると思います(ある部分は機密ですから当然ですが)。正直に言うと、僕も学生時代、台湾の友人と一緒にこの試験についてブーブー文句を言っていました。




ただまさに「言うは易く、行うは難し」、批判するのは簡単です。普段は思い至らないだけで、目の前に当然の如くあるものの背景には多くの人々の尽力という膨大な積み重ねがあることがしばしばであるように、この試験に関わってくださっている方々のお仕事ぶりは本当にすごいです。これは身内の贔屓目とだけ言って片付けられるものではないとすら思います。先日発売になった『Monkey Business No.3.5』のなかで、村上春樹さんが英国の作家カズオ・イシグロを評したような、「礼拝堂の広大な天井や壁に長大な時間をかけて一面の絵画を描き上げるよう」な作業をされていると個人的には思っています*5。そんな努力の積み重ねの結果、少しずつでき上がっていく試験問題は、芸術品だと言えると思うのです。僕も事務局の一員として、本当にできる限りのことをしたいと思います。





最近「日本語教育情報局@コンケン」というサイトを見つけました。そこに日本語能力試験のご案内も。





上でも書きましたように、タイではますます受験者が増えてきています。サイトの運営をなさっている西野先生とは面識がないのですが、先生、ご案内ありがとうございます。これからも任国でのご活躍をお祈り申し上げます。





最後になりましたが、受験者のみなさん、ご健闘をお祈りします!がんばってくださいね!!




*1:例年、原則として12月の第一日曜日に行われます。


*2:潮風さん、この前は「きもの」記事のご投稿ありがとうございました!


*3:利用者の方にはわかりにくいと思うのですが、日本語能力試験は(財)日本国際教育支援協会との共催で行っており、日本国内での実施は同協会が担当しています。日本国内と海外で問い合わせ先が異なるのですが、混乱される方もしばしば。「受験地」を基準にお問い合わせ頂ければと思います。


*4:どうしてそう思うのかというのは、書き始めるとどこまでも書いてしまうような気がするので割愛。


*5:原文は「…彼(カズオ・イシグロ―引用者)は巨大なひとつの絵画を書いている。たとえば一人の画家が、礼拝堂の広大な天井や壁に長大な時間をかけて一面の絵画を描き上げるように。それは孤独な作業だ。時間もかかるし、消耗も激しい。一生仕事だ。そして彼はその一部を描き上げるたびに、何年かに一度、我々にその完成された部分を公開する。…」です。





Thursday, November 27, 2008

NPOフェローシンポジウム@和歌山



みなさん、こんにちは!


先日、和歌山出張から戻り、すっかり和歌山県ファンになった、


ブログ初登場のびわ子です♪


今回は11月15日(土)に和歌山市でわかやまNPOセンターさんと国際交流基金の日米センターで共催した「NPOフェローシンポジウム」の様子や和歌山の近況について皆さんにお届けしたいと思います☆ 





★「NPOフェローシップ」とは?


国際交流基金の日米センターでは、「NPOフェローシップ」プログラムとして、非営利組織の活動に従事される中堅層の方々が、米国のNPO活動に中長期的に携わり、更に様々なプログラムやプロジェクトに参加することにより、米国の非営利組織の運営方法を学ぶ機会を提供してきました。1988年のパイロット事業からスタートして、2007年の第8期まで延べ37名のフェローを米国に送り出しています。


今回のシンポジウムは、この「NPOフェローシップ」プログラムの一環として、米国のNPOで無事研修を終えたフェローのお二方(特定非営利活動法人ETIC〔東京〕プロデューサーの井上英之さんCSOネットワーク〔東京〕共同事業責任者黒田かをりさん)をお招きし、報告会と勉強会を和歌山市のわかやまビッグ愛で行いました。


シンポジウムの詳細は→こちら





★和歌山でシンポジウムを開催


・・・・・・で、そもそもどうして、今回のNPOフェローの報告会を和歌山県で開催するのだろう??と不思議に思われた方がいらっしゃると思います。


今回和歌山でシンポジウムを開催した理由は、茨城県のNPOの方からわかやまNPOセンターさんをご紹介頂いたことや、都市圏だけでなく、全国各地の地方のNPOの方々と勉強会を通じて交流する機会を設けるためでした。


また、東京や大阪の大都市では、勉強会があるけれど、遠くて参加できない!!地元にもっと学びの場を!!という地方の皆さまのご要望に応えるためにも、和歌山での開催は大きな意味がありました。


といった、経緯で、和歌山県で開催する事になりました!





ところで、みなさん、「和歌山」といえば何を連想されますか?





私の周りにいる関東出身の方々にお聞きすると・・・・・・、


「みかん!」と答えた方が圧倒的に多く、一般的に、うめやみかんのイメージが強いようです。実際に和歌山には・・・うめやみかんは勿論のこと・・・・熊野古道、高野山、和歌山城など歴史的遺産のほかに・・白浜海水浴場、温泉そして海・農産物に恵まれ文化と自然の香りに包まれた癒しの紀州の国であります♪


関西空港から和歌山市まで、JRで45分と利便性も高く、他府県からの観光客が来やすい地理的条件を備えています。



大きな地図で見る





ところが・・・!!


残念なことに和歌山の現状は、若者の県外への流出が激しく、21年間連続で高校生の県外流出1位の県となりました。特に近隣の大阪への流出が多いとのことです。若者の買い物や待ち合わせ場所は、大阪で、ちょっとしたスーパーでの買い物も大阪まで出て行ってしまうそうです。そのせいか、実際JR和歌山駅から徒歩5分程の距離にある、街の中心部の商店街を訪れるとシャッター通りとなっており、以前の輝きが失われたようでした。





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【金曜日19時半ごろ】





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【土曜日16時ごろ】





そんな『シャッター通り商店街』の中にあえて事務所を構え、和歌山の街に元気を取り戻そうと、精力的に活動している方々がいらっしゃいます。そうです!今回、シンポジウムの共催をさせて頂いた、わかやまNPOセンターの方々です! パチパチパチ!!





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【シンポジウム前日の打合せ風景】わかやまNPOセンターの方々





今回のNPOフェローシンポジウムでは、前述通り、井上英之さんと黒田かをりさんをお招きし、アメリカや日本のNPOでの活動を通して、「社会的起業とCSR活動の日米の先進事例」をもとにお話をして頂きました。シンポジウムの参加者より「アメリカ次期大統領オバマ氏の「チェンジ」によりNPO団体を含めた日本の市民活動は、どのように変化するか」、「和歌山や地域が変るためにどのようなキーワードがあるだろうか」等、アメリカ大統領の旬な話題から地元に密着した質問まで多く寄せられました。主催する側にあたっての反省点や今後の課題はまだまだ残りますが、報告者のお二方をはじめその他皆さまのお陰で、無事、盛況のうちに終了する事ができました。





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【左:NPOフェローのお二方 右:参加者の方々 】





それでは、最後にひとつシンポジウムで印象に残ったお話を紹介したいと思います。


「アメリカのオバマ氏次期大統領のチェンジで、日本のNPOにどのような影響があるだろうか」


という質問に対し、あるわかやまNPOセンターの方が、こう話されました。






アメリカの次期大統領オバマ氏に変わるという事は、よその国の事という感じだった。

しかし、先日、事務所近くの商店街のおじさんに、「アメリカのオバマも昔NPOで働いてたそうやな。ようやく、お前らNPOのやってる事が、分かったよ。がんばりや!」と声をかけてもらえた*1


また、その他の近隣の方々に、事務所に人の出入りは多いが一体何をやってる団体なんやろ?と、不思議に思われていたかもしれないが、オバマ次期大統領のCHANGEで、商店街のおっちゃんの心もCHANGEした。大統領が白人から黒人にCHANGEしただけにとどまらないんじゃないだろうか。



と、他愛もない話かもしれませんが、ここ和歌山にも、オバマ効果が到来したようです。


アメリカ次期大統領のチェンジがNPOの追い風になれば、と願うばかりです。


今回、シンポジウムでお世話になった関係者の皆様に対し厚くお礼申し上げます。


本当にありがとうございました。





★ おまけ


日米センターの西松課長とびわ子は、JR和歌山駅へ12時15分に到着。


現地のスタッフとの13時の打合せへ間に合わせるべく、急いで、ランチを済まさないと。。通りがかった中華料理店王将へイン。。。


ううう。。。。ここは、すごい。値段が学食並みの安さ!そして、一人分ははるかに超えるであろう、量!そして、おまけに、おいしい!実際、王将だけではなく、ここ和歌山の食材は、新鮮で安くておいしいんです。


皿うどん 500円


焼きそば350円


中華丼400円





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【左:驚きの価格と量!西松課長もびっくり!  右:一度、和歌山へ遊びに紀(来)ませんか?わかやまNPOセンターさんの看板です。】








【参考ウェブリンク先】


・特定非営利活動法人わかやまNPOセンターのウェブページは→こちら





【次回のNPOフェローシンポジウム情報】


タイトル:事業型NPO・社会的起業における組織運営と資金調達、米国NPOの知見を地域に紹介するシンポジウム


日時:2009年2月28日(土)13:00-17:00


会場:上越市市民プラザ


共催:くびき野NPOサポートセンター、国際交流基金(ジャパンファウンデーション)


詳細はこちらからどうぞ。


奮ってご参加下さい!




*1:オバマ氏は、1983年にコロンビア大学卒業後、低所得者の支援活動を行うNPOで勤務していた経験を持つ





Wednesday, November 26, 2008

☆。+ ゜.ふろしきワークショップ開催しました☆。+ ゜. 






こんにちは、蟹江です。


本日は、商品開発ワーキングチームのあいさんから風呂敷ワークショップの参加レポートをお届けします☆












あいさん:


みなさん、こんにちは、ちょっと前のことになってしまいますが…


ジャパンファウンデーションは今年7月、「横浜トリエンナーレ2008記念 JFオリジナルふろしき」デザインを公募いたしました!


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そして9月、プロのデザイナーも参加した厳正なる審査の結果、優秀賞に選ばれた3点がオリジナルグッズとして発売されました!


おかげさまでJFオリジナルふろしきは一部品切れも出るほどの好評をいただいております。☆”



更に11月5日、このふろしきの完成を記念して「JFオリジナルふろしきデザイン展&ラッピング展」そして、ふろしきの楽しみ方ワークショップ及びデザイナーさんたちの表彰式が行われました。


盛り沢山なイベントうち、今日はこのワークショップの模様をお伝えしたいと思います!


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講師はこものちほさん。ラッピングコーディネーター、ふろしき研修会講師、マナー講師、ラジオパーソナリティと幅広く活躍なさっています。当日は柄も大きさも多様なふろしきのコレクションをお持ちくださいました。


参加者は15名ほどで、年齢層も持参されたふろしきも本当に様々。ふろしきが「一家に一枚(数枚)」の必須アイテムであることを実感しました。


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まずはふろしきの歴史や伝統的な柄についてご紹介。


みなさん、ふろしきの名前の由来をご存知でしたか?室町時代に武将が入浴する際、家紋をつけた布の上で衣服を脱ぎ、衣服を包んで使用したのが始めと言われているとか。


そしてふろしきと言えば「唐草模様」ですよね。


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泥棒が盗んだ荷物を包むイメージが強いこの柄ですが、実は唐草模様はぐんぐん伸びる蔦が子孫繁栄を表す縁起物とのこと。婚礼道具を包むことも多いそうです。


「麻の葉」は健康を表し、赤ちゃんの着物によく使われた柄だとか。また、先生のコレクションの中には見てのとおり御目出度い対の「熨斗」をデザインしたものもありました。
















さて、いよいよふろしきを使って色々な物を包んでみよう!ということになったのですが…どうやら筆者は生来の不器用だったようで、何を包んでもいまいち格好が良くありません。そもそも結び目が立て結びです・・・。


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それはさておき、先生の教えてくださる包み方は、最も正式とされる「平包み」から「スイングバッグ」「ハンドバッグ」「ティッシュカバー」「ボトルラッピング」「リュック」など、ふろしき一枚でこんなに!と思うほどの多様さ、美しさでした。


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定番のティッシュカバーですが、こんなにバランスよく作るのは意外と難しいです(私だけ?)…。





大判のふろしきを使うとこんな本格的なバッグまでできてしまいます


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色々な包み方の他にも、真結びとその簡単なほどき方、ひとつ結びのコツなど基礎的なことを教えていただきました。


これで少しは私も上手く物を包めるようになった・・・はずです。


皆さんも、ふろしきで色々なものを包んでみたい!とお思いになったのではないでしょうか。省資源、リサイクルの文脈で注目されるふろしきですが、今回のワークショップではそれだけでなく自分の好きな色や模様で、自分の手を使って身の回りのものをアレンジするよろこびを味わうことができました。


ちなみに…JFオリジナルふろしきをお買い上げの方には、こものちほ先生プロデュースによる包み方パンフレットもついています。包んでよし、首に巻いてよしのJFオリジナルふろしき、おススメです!






Tuesday, November 25, 2008

中国大学日本語教師研修






日本語国際センターY.Yです。今回は、「中国大学日本語教師研修」をご紹介したいと思います。





中国各地の大学で日本語を教えている先生たちが、毎年9月中旬から11月上旬の51日間にわたり、日本語国際センターで研修を受けています。今回も広い中国の全国各地から、北は黒龍江省に始まり、南は広東省を超えさらに海南島まで、大学で日本語を教えている40名の先生が参加しました。


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中国は、日本語学習者数が約68万人と、堂々の世界第2位!*1





そんなすぐお隣の国・中国からどんな先生が参加しているのか、さっそくインタビューしてみましょう。








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李晨先生(山東省・魯東大学)


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忙しい研修の間にインタビューを受けていただき、ありがとうございます。それではまず、李先生が日本語を勉強し始めたきっかけについて教えてください。






私は中国の東北部・吉林省の長春出身です。たまたま隣の家に、吉林省農業研究所の通訳の方が住んでいました。戦前の日本に留学したこともある方で、お宅に遊びに行った時、日本の絵本がありました。そこで初めて日本語の文字を見て、「中国の他にも漢字を使っている国があるのか」と驚きを感じたのがきっかけです。



それでは、日本語の先生になったきっかけは?



師範大学でしたので、自然に日本語教師の道を目指すようになりました。大学卒業以来、修士号取得や日本留学をはさみながら、長年ずっと日本語を教えて来て現在に至ります。






今回の研修に参加した感想はいかがですか?



そうですね、「第二言語習得」について、理論から実践まで系統的に学ぶことができたのが一番の収穫です。これまでに部分的に触れたことはあっても、体系的に学んだのは初めてでしたから。また、久しぶりに学生の立場に戻ることができたのも貴重な経験でした。



゚★,。・:*:・☆゚ ゚★,。・:*:・☆゚ ゚★,。・:*:・☆゚


于鵬先生(天津市・天津師範大学)       


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于先生と日本語の出会いについて教えてください。



私が小学校に上がった頃、中国は文化大革命の真っ只中でした。学校教育も麻痺状態で、授業もあまり満足に受けられない状況だったのです。


1972年に日中国交正常化が実現し、それをきっかけに、家の近所にあった大学で日本語講座が開催されることになりました。当時13歳か14歳だった私は、母についてその講座に通うようになりました。



その後、大学でも日本語を専攻なさったのですか?



はい。そして大学卒業後は、市役所で外国との貿易・経済方面の仕事を担当するようになりました。



大学卒業後、すぐに日本語教育の道に進んだのではなかったのですね。



出張で日本へ来る機会もありました。そして、日本へ留学中のクラスメートに再会し、話を聞くうちに、「自分も日本へ留学したい」と思うようになったのです。その夢が叶い、1992年から3年間、福岡に留学し、教育学の修士号を取得しました。



日本留学の後は、すぐ中国へ帰国なさったのですか?



いいえ、そのまま日本に残りました。中国との貿易を行っている日本の会社に就職し、6年間働きました。



中国にはいつ戻られたのですか?



2001年です。「日本語と経済・貿易の両分野をカバーする講義をしてほしい」と大学にいた知り合いから依頼を受け、中国への帰国を決め、大学で教鞭を執るようになったのです。



中国の官公庁と日本の会社での実務経験、さらに日本の大学院留学の経験。中国でも最近は、単に語学ができるだけではなく、「語学」+「専門分野」と2つの強みを持つ「複合型人材」の育成が強化されていますが、于先生はまさにうってつけの人材だったわけですね。



いえいえ、そんな(笑)。


・・・そういうわけで私は、教師経験はまだあまり長くないのです。


そのため、今回の研修では、多くの収穫がありました。とりわけ、自分の教授実践を振り返り、授業の改善をはかるための「授業研究」は、大変役に立ちました。


 


日本と中国の文化には、多くの共通点がありますが、違いもまた数多くあります。自分は留学で3年・仕事で6年と、9年間の日本滞在経験がありますが、それでもまだまだ学ぶことがたくさんあります。これからも今回の研修で学んだことを生かしていきたいです。



゚★,。・:*:・☆゚ ゚★,。・:*:・☆゚ ゚★,。・:*:・☆゚


この「中国大学日本語教師研修」に参加した40名の皆さんは、もともと高い日本語レベルを持っている上、非常に勉強熱心な方々でした。





授業や研究課題に全力で取り組んでいたのはもちろんのこと、歌舞伎鑑賞に行けば、上演中はずっと舞台を食い入るように見つめ、幕間の休憩時間になっても席を立たず、寸暇を惜しんで筋書きを読み込む姿が続出。





外へ出かけるときはカメラを手に、お店の看板や注意書き等、教材に利用できそうな物を見つけたら即撮影。


駅で電車を待つわずかの時間も、


「あそこにある広告のキャッチフレーズを中国語に翻訳するとしたら?」


「こんな訳し方はどう?」


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日本滞在経験のあるベテランの先生も、今回が初来日だった若手の先生も、51日間の研修期間を目いっぱい活用し、吸収できるものは何でも全て学び取っていこうとする意欲の高さが印象的でした。





広い中国のあちこちの大学に帰って行った後も、今回の研修で得た収穫を生かしながら、熱心に日本語学習中の大学生の指導にあたって下さることでしょう。




*1:国際交流基金「海外日本語教育機関調査」2006年度版より→http://www.jpf.go.jp/j/japanese/survey/result/index.html





Wednesday, November 19, 2008

現地職員訪日研修






最近、ポール・トーマス・アンダーソン作品にはまっている久保田です*1





さて今日はJFの職員研修の1つ現地職員訪日研修についてとりあげます。


国際交流基金(ジャパンファウンデーション)は現在、海外19ヶ国・20都市に


21の海外拠点(以下、事務所と略しますね)を持っていることはすでにご案内の


とおりかと思います。10月はじめ、そのうち6つの事務所から現地職員の方々が1名


ずつ来日し、約2週間の研修に参加しました。





今回の研修分野は日本語教育、基金本部での各種ブリーフィングはもちろんのこと、


浦和の日本語国際センター、大阪の関西国際センター、京都支部といった


JF付属機関や支部、加えて、にほんごの凡人社、アルク、早稲田大学大学院


といった日本語教育関連機関での研修・取材、さらには京都精華大学、京都


国際マンガミュージアム、横浜トリエンナーレ、歌舞伎観賞と内容は本当に


盛りだくさん。僕も日本語能力試験担当としてブリーフィングさせて頂きました。





今回参加したメンバーは、


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金さん(ソウル日本文化センター)


張さん(北京日本文化センター)


Apinさん(ジャカルタ日本文化センター)


Chanidaさん(バンコク日本文化センター)


Kimさん(ロンドン事務所)


Vanさん(ベトナム日本文化交流センター)



 


の6名(写真はジャパンファウンデーションの小倉理事長(中央)を囲んでの1枚)。


「みなさんはこの研修でどんなことを学ばれたのだろう?」


そんな思いを抱きつつ、研修のWrap-upの時間にお邪魔してきました。





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久:まずはソウルの金さんから、今回の研修の感想を教えて頂けますか?









金さん:私は4年前にも日本研究・知的交流分野の研修に参加した


ことがあったのですが、そのときの研修は今回のようなグループ


研修ではなく、1人で研修を組み立てる形でした。グループ研修の


よいところは、他の海外事務所の職員とつながりができ、いろいろ


と情報交換ができることだと思います。





訪問先で印象に残ったのは、日本語国際センターと


関西国際センターでした。いま両センターには


ちょうど韓国からの研修生が来ています。


彼らとは研修参加申請の際にソウル日本文化


センターで会ったことがありますが、実際に


両センターで研修に参加している彼らの明るい


顔を見て、担当者としてやりがいを感じました。






久:なるほど!続いてジャカルタのApinさんは如何でしょう?









Apinさん:私も2回目の参加で、前回は15年前でした。


一番印象に残ったのは関西国際センターを初めて訪問できて、その


センターで研修生と会えたことです。いまEPA協定で介護福祉士を


目指すひとたちが関西での研修を受けています。出国前、彼らと


ジャカルタで会いました。私は関西センターに実際に行ったことが


なく、写真や資料で得た知識しかなかったのに関西国際センターに


ついて彼らにブリーフィングをしていました。





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【関西国際センターでの記念写真】





その時、彼らはまだ日本語ができませんでしたが、関西センターで


会った時にはみんな日本語が話せました。よかったと思います。


関西センターと浦和センターで、施設を見たり、そのセンターの


色々なことを説明して頂いたりすることができましたので、


これからは自信をもって研修生にブリーフィングができそうです。









久:確かに、生の現場を見たことがあるのとないのとでは、


ブリーフィングにも大きな違いが出てきますよね。


ロンドンのKimさんは如何でしたか?









Kimさん:今回、研修のチャンスを頂けたことを、ありがたく思って


います。今回のメンバーは私以外、全員アジアからの参加者です。


アジアとイギリスでは日本語事業を行うときの前提というか、


文脈というか、そういうものが違うと思います。


イギリスでの外国語教育の主流はやはりヨーロッパの言語です。


この10年間ほどで、日本語に対するニーズの高まりがあると


いっても、やはりその大枠は変わらないなか、今後の展開を考える


ヒントをたくさん得ることができました。





例えば、ほかの海外事務所のメンバーと知り合って一緒にいろんな


ところを周れたことで、他の国における日本語教育についての


具体的な、最新の情報をみんなでシェアすることができました。


また横浜トリエンナーレを見て、他の団体とのパートナーシップ

強化ということも考えました*2






久:情報と体験の共有、大事ですよね!


バンコクのChanidaさんはこの研修、如何でしたか?









Chanidaさん:まずはジャパンファウンデーションの事業の


全体が見えたことが収穫です。これには全体にかんする


(抽象的な)方針(=JFの規程に示されている役割や中期


目標など)という意味も含まれています。





次に、他のメンバーも言っていたことですが、


浦和や関西の施設や研修をこの目で見ることができたのは


大きな収穫でした。これで研修前のブリーフィングが


充実したものになります。





もう1つは、普段メールや電話で連絡をとるばかりで、


実際にはなかなかお会いする機会のない国内のスタッフ


のみなさんと直接お会いできたことも大きな収穫でした。


やはり実際に会って、顔が見えるようになることで、


これからの仕事はぐっとやりやすくなると思います。






久:Chanidaさんとは何度かメールのやりとりをさせて


頂いていましたが、実際お会いするのははじめてですね。


僕も直接お会いできたことで、今後のお仕事が


スムースになるんじゃないかと思います。


北京の張さんはどうでしたか?









張さん:知識と体験が増えたことが大きいです。


例えば6日目に訪問したジャパンファウンデーションの


京都支部。いままでは仕事上の接点もなくて、


私にとって言葉だけの存在でしたが、実際にお邪魔した


ことで、しっかりと京都支部を知ることができました。





北京日本文化センターには日本語を担当している


現地職員がもう1人いて、私は関西国際センター事業は


担当していません。それでも事務所では外部からの


問い合わせで関西の研修事業について聞かれることも


当然あって、そういうときには今まですぐにもう1人の


担当者に回していました。でも今回、関西での訪問を


受けて、関西の公募プログラムも認識も深まりましたし、


今後は外部からの問い合わせにも対応できそうです。





日本語国際センターでは、中国からの研修生と話す


ことができたのが本当によかったと思っています。


研修に参加している皆さんが普段どんなことを


感じているのかを、現場で、より臨場感をもって


フィードバックしてもらうことができたからです。


今回より深く交流を持つことができたことは、


今後の仕事にとって大きなプラスになると思います。






久:なるほど。日本でご自分が担当された研修生と


触れ合って、よりつながりが深まったんですね。


こういうつながりは今後に活きてきそうですね。


では最後にハノイのVanさん、お願いします。









Vanさん:ベトナム日本文化交流センターは、できて

まだ1年に満たない事務所*3ですので、


私ももちろんジャパンファウンデーションに来て


1年目です。そういうわけで、今回の研修は勉強する


ことばかりでした。ジャパンファウンデーションを


めぐる状況がわかったのが大きな収穫です。





もう1つの収穫は、メンバーとの交流を通じて、


将来の事業についてのたくさんのヒントを


もらえたことです。もちろん、研修のメンバーだけ


ではなく、国内スタッフからも多くの刺激を受けました。





将来の可能性として、海外事務所のあいだの協力と


いうのもあり得ないのかな?という感想も持ちました。





あと、今回のいちばんの失敗は、王子駅に行くべき


ところを、八王子駅に行ってしまったことです(苦笑)


電車に乗る前に、そばにいた人に「王子駅に行くには


この電車でいいんですか?」って聞いたにもかかわらず、


ですよ。日本の交通システムは複雑すぎます。









久:東京に住んでいる人も、自分の生活圏のなかで


完結してしまっていることが多いのでしょうか(笑)


Vanさん、新生ベトナム日本文化交流センターで


今回の経験をぜひ活かしてくださいね。


-----------------


これからも一緒にJF事業を盛り上げていきましょう!





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【研修の担当者と記念の1枚】




*1:特に『There Will Be Blood』と『マグノリア』は圧倒的なインパクトでした。本当にすごい作品なので、未見の方はぜひ!


*2:横トリは、横浜市、朝日新聞社、NHK、そしてジャパンファウンデーションの主催です。


*3:2008年3月10日にオープンしました。





Monday, November 17, 2008

きもの in ロサンゼルス






みなさん、こんにちは!


すっかりご無沙汰ですが、第2期ブログチームだった潮風です。


夏にロサンゼルス事務所に異動になり、ひろーいアメリカでの文化交流、日本語教育の現場を日々勉強中です。





ロサンゼルスいえば・・・HOLLYWOOD!って連想する人も少なくないと思いますが(潮風も赴任後、初めてあのサインを見たときは大興奮)、その映画業界・ファッション業界の方々を対象に、きものショーが先月開催されました。




f:id:japanfoundation:20081108110443j:image:w400*1





ショーといっても、単なるファッションショーではなく、着物や帯の作られた方、帯の結び方、デザインに込められている想いなどについて紹介する、レクチャー&デモンストレーションイベントでした。





ハリウッド映画の中には、着物っぽい衣装も時々見かけますよね。


そういうとき「あ!これ着物だ~日本だ~」って私は嬉しくなるのですが、


「・・・なんか変。」


って思うときもなくもない。もちろん演出とかによって、多少アレンジがあるのは当然のこと。でもやはり業界の方々自身が「本物」もちゃんと知り、日本文化を理解しているのと、知らないのでは、創りあげられるもの・生まれてくるものも違うのではないか。もっともっと素敵な着物、日本文化を発信していってほしい。

今回はそんな考えから、在ロサンゼルス日本国総領事館とジャパンファウンデーションの共催で、ショーが実現したのです。*2





講師は日本のテレビや映画でも活躍されている冨田伸明さん。冨田さんはきものスタイリストでもあり、探し求めている着物がなければご自分でプロデュースもされるきものデザイナーでもいらっしゃいます。ジョークと交えた楽しいトークを繰り広げながら、反物という一枚の長い布から着物は仕立てられていること、時代や用途によって、様々な着物のデザインがあり、着こなし方があること、実際の着物を観客に見せながら紹介されていました。





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中でも潮風の印象に残っているのは「着物には想いが込められている」というお話。着物や帯は祖母→母→子と受け継がれ、母は子を想いながら子の帯を締め、いずれ子も受け継いだ着物を見て母を想うもの。古くなった着物はまた反物に戻すことができるので、内掛けやクッションカバーなど、姿を変えてまた使い続けることができる。冨田さんはそういう想いを大切にして着物を着てほしい、とおっしゃっていました。


冨田さんには「美しいもの、感動したものに出会ったときに着物をつくりたくなる“悪い癖”がある」そうです。そうおっしゃってショーの中で紹介されたのは美しい富山県氷見市から見た立山連峰の風景を閉じ込めた帯、秋田県増田町の内倉をデザインした帯、兵庫県豊岡市のコウノトリが活き活きと羽ばたいている帯などです。まさにこれらの感動、自然や伝統を大切に想う心が込められているからこそ、冨田さんの着物やお話は外国人の方々も魅了されたのだと感じました。





観客の皆さんからも、



着物の仕立ての過程を初めて知った。非常に細かい作業を経ていて、素晴らしい技術!仕立て屋が減ってきていると聞いたのはとても残念。




(歌舞伎の衣装は100年に1回ほどしか新調されないと聞いて)着物が世代を超えて、大切に受け継がれていることを知って驚いている。とにかく美しかった。



といった声が聞かれ、目の前に広がった着物の世界を楽しんでいただけたようでした。




さて、こんな魅力溢れる冨田さんの講演、実は今年の3月に、ジャパンファウンデーション主催で、このときは一般の方々への着物レクチャー&デモンストレーションイベントとしてアメリカ6箇所を巡回するツアーを行いました。そのときの模様はテレビでも特集として放映され、そのようすはなんとYouTubeで視聴可能になっています。*3


みなさん、ぜひぜひ、冨田ワールドを垣間見てください~~↓↓



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*1:ちなみに、今回は日本語を教えている地元の学校の校長先生や生徒さんなどにもモデルをお願いしました!もちろん着物を着るのは初めて。みなさん、貴重な機会ってことでとても楽しんでいらっしゃいました。


*2:観客の中には、「SAYURI」をつくったソニーピクチャーズの衣装担当の方やエミー賞監督賞にノミネートされたこともある映画・TV制作関係の方もいらっしゃってたんですよ。さすがは「本場」ですよね!


*3:ロサンゼルス事務所で過去におこなった他の文化事業のVideoもいろいろ事務所HPで公開されています。ぜひぜひご覧下さい!





Friday, November 14, 2008

1[知的からの] Yes, We Can !






皆さんはじめまして!初登場のおひさまです(*^_^*)


おひさまは日米センターという部署で、日々アメリカ側のパートナー達とメールをやりとりしていますが、今回の大統領選挙を通じて、民主主義や人種について、さらに「アメリカ」という国について、あらためて色々と考えさせられました。政治・経済はもちろん、音楽、スポーツ、日本のメディアが取り上げない日はないアメリカに絡んで、、、





明日11月15日(土)、東京の基金本部で、こんなプログラムの説明会を開催します!!


☆゚・*: .。.:*・゜☆Japan Outreach Initiative」、通称「JOI(ジョイ)」!☆゚・*:.。. :*・゜☆゚





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日本語での事業名は、


日米草の根交流コーディネーター派遣プログラム」。


アメリカの南部や中西部など、日本との交流の機会が比較的少ない地域に、ボランティアを2年間派遣して、日本紹介や日米交流活動に活躍してもらいます。コーディネーターは、現地の学校を訪問して日本紹介のプレゼンテーションをしたり、地域で「ジャパン・フェスティバル」を開いたり、日本語を勉強する学生と日本語会話クラブを作ったり・・・、皆さんそれぞれの環境や特技を生かして様々な活動を展開していらっしゃいます。





そのJOIプログラム、現在、来年夏に渡米する第8期コーディネーターを大募集中!


明日の東京会場を始め、名古屋大阪でも説明会を開きます。






11月15日(土) 国際交流基金(ジャパンファウンデーション)本部 14時~


11月29日(土) 名古屋国際センター 14時~


11月30日(日) 大阪国際交流センター 14時~


詳細・申込はこちら






説明会では過去のコーディネーターOBOGが体験談を話してくれるので、「具体的に何をするの?」「待遇は?」「英語力に自信がないんだけど・・・?」といった疑問・不安にもお答えします。





もうちょっとプログラムのことを知りたい方にはこちらのコーディネーター活動報告を。


去年の夏からミシシッピー州に派遣されているコーディネーター曰く、






学校でのプレゼンテーションの内容は、学校生活、家族、衣食住、など様々です。世界地図で日本を探したこともない子ども達が多くいるこの地域で、日本のことを紹介するJOIの活動には大きな意味を感じています。









アラバマ州での2年間の活動を終えて帰国したコーディネーター(写真はお寿司作りの様子)は、先生方を対象にワークショップを開いて、、、






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「アメリカと日本は思っていた以上に似ている点が多い」という感想が多かったのが印象に残っています。このように「日本文化・生活=全く違うもの」ではなく、アメリカと共通点も多い点に気付いてもらえたことは、日本をより身近に感じ、興味を持ってもらうためには重要だと思います。






という声を聞かせてくださっています。





大統領選挙の数日前に、購読しているメルマガで読んだ、米国在住の作家、冷泉彰彦氏のこの記事。オバマ次期米大統領にとって、日本が重要なパートナーになる理由としてこんな風に書かれています。






一つは、オバマとその巨大な支持層の世代です。現在の40代以下のアメリカ人は、自分が17歳(州によって違いますが)の免許を取れる年齢になったときには、まず日本車に乗りたいというチョイスをした年代です。若く、予算の限られる中、信頼性と燃費の良い日本車が、最初からそこにあり、自分が育つにつれて、その日本車がどんどんシェアを伸ばして、しかもハイブリッド技術を先行させている、それしか知らない世代です。





更に言えば、彼等はポケモン世代であり、ニンテンドー世代でもあります。<中略>「クールジャパン」と共に育ってきたといっても過言ではないでしょう。何よりも、彼等にとっての日本とは、「一神教的な善悪二元論」ではないポストモダンの文化として憧れの対象であり、それゆえに孤立しがちなアメリカにとって、唯一の顔の見える異文化なのです。(「まぶしい日本」from 911/USAレポート)



なんだか日本の役割がもっともっとあるのでは、と勇気付けられてしまいます。


ぜひJOIの説明会で、コーディネーターたちの米国体験談を直接聞いてみませんか?


(明日の東京会場は今からの飛び入り参加もOK♪)


そして、次はあなたもコーディネーターに挑戦してみませんか??





`☆´`☆´`☆´Yes, YOU CAN !!`☆´`☆´`☆´