皆さん、こんにちは。
ご無沙汰している間にフィリピンに赴任しました三富です。
今回は、ちょっと意外なフィリピンの一面をご紹介すべく、10月22日にオープニングを迎えたフィリピン・ファッションウィーク(2009年春夏コレクション)についてお話しします。
「え?途上国のフィリピンに、ファッションウィーク?!」なんて驚く方も多いかもしれませんが、そうなんです。フィリピンにもあるんです!!
このフィリピン・ファッションウィークは、フィリピン最大のファッションイベントとあって、急遽潜入取材をすることとなった私の気分はもう「プラダを着た悪魔」の主人公のよう・・・
と、ちょっぴり浮かれて会場入りしたものの、仕事を終えてからショーに立ち寄ったヨレヨレの私は、着飾ったファッショニスタたちに囲まれて場違いも甚だしく、あまりに煌びやかなその場の雰囲気に気後れしてしまいました( ̄□ ̄;)!! その煌びやかさたるや、もう・・・。私は開場ギリギリまで、設営スタッフを装うか、さもなくばしばらくトイレに隠れていようかと思ったくらいです | |д・) ソォーッ…
そんな裏話はさておき、10月22日から18日間パサイ市のSMX Convention Hallで開催さていれるフィリピン・ファッションウィークには、ベテランから若手まで、フィリピン全土のファッションデザイナー100名以上が参加します。オープニングの22日には、フィリピン伝統のテキスタイルを使用した作品群なども紹介されており、フィリピン特有の素材を現代のファッションの中に活用し、その価値を再評価しようという試みも見られました。
会場となったSMX Convention Hall
私が見たショーは、オープニングの最後を飾るJeffrey Rogador、Jerome Lorico、Ralph Ngの3名の若手のデザイナーによるPremiere Collection Aというもの*1。
実は、この3名のうちのジェロームさんは、2007年に国際交流基金の招きで、第45回全国ファッションデザインコンテスト(杉野学園主催)に参加し、奨励賞を受賞しています。以来、彼は、将来のフィリピンのファッション界を担う若手デザイナーとして、今回のフィリピン・ファッションウィークへの参加など、正にとんとん拍子にキャリアを積んでいます。
ジェロームさんは、日本から帰国後、Manila Bulletin紙のインタビューで、「日本のようなパワーとリソースのある国から学び、それをアジア全体で共有することが大事なんだと思う。各国で不足するリソースや技術などが補完されれば、(既に確立され、多くのアジアのデザイナーが傾倒しがちな欧米ファッション界のゴールや方向性に対して)アジア地域の文化的・経済的事情を上手く反映した固有のゴールや方向性を発展させることができる。」とアジアのファッション界興隆の可能性について話しています*2。
フィリピンでは、ファッション業界も含め、才能のあるアーティストの多くが海外に流出するという「頭脳流出」が顕著ですが、今回のショーではジェロームさんのように、フィリピンのみならず、アジア全域のファッション界の将来を見据え、その発展に寄与しようと意気込む若いデザイナーたちの溢れるエネルギーを目の当たりにすることができました。
*1:Styleanywhere.wordpress.comにコレクションの作品などが出ています。
*2:“Focus: A Japan immersion is an eye-opener for a talented young designer”2007年11月30日付Manila Bulletin紙