こんにちは『をちこち』編集担当の西納です。最近東京はめっきり寒くなってきましたが、皆さんお元気でしょうか。『をちこち』第20号の制作を終えて、ボジョレーヌーヴォーのグラスを傾ける機会も得て、人間的な生活を取り戻した今日この頃、12月1日の発売を前に今号の紹介をさせていただきます。
2008年は日仏交流150周年、また2007年は基金の海外拠点の一つパリ日本文化会館開館10周年です。『をちこち』第20号では、フランスを特集しました。
日本人の多くにとって、フランスは欧州の中でもなんだか親近感を感じる国ではないでしょうか。ファッションやグルメ、旅行など、いろんなメディアで楽しく紹介されることが多いフランス。何をどう取り上げてフランス特集をしようか、編集部でもだいぶ検討しました。その結果、やはり基金らしく(!)今回は「文化」を正面から取り上げることにし、テーマを「フランス 都市の文化力」として特集を組みました。(詳しい目次はこちら)
文化大国、という枕詞も似合うフランスですが、文化大国を構成する“文化都市”と言いましょうか、パリのみならず特に地方都市がどのように文化によって活気づいているか、普通の人々の普通の生活にどのように文化が普通にあるのか、といったことを紹介していく特集になっています。
巻頭対談の2名は、最近『世界文学全集』(河出書房新社)の刊行で話題を集めている池澤夏樹さんと、在仏30年を超えフランスの様々な素顔を執筆活動を通じて日本に紹介してくださる飛幡祐規さん。フランスでの日常生活において感じられる文化、社会観・価値観、教育などについて語ります。
その後は、4つの街を取り上げて、様々な文化の在り方をレポートします。歴史遺産と現代芸術が融合するダイナミズムを活かした都市政策を展開するリヨン。経済的に衰退していた街に文化事業によって活気を取り戻したリール。治安の悪い場所の環境を向上させた国立ダンスセンターのあるパリ近郊のパンタン。フェスティバルに活気づく人口5万人の小さな地方都市シャロン・シュル・ソーヌ。
それぞれの地域の様子が分かる写真をたくさん盛り込んで、読み応え・見応えのある号となりましたので、是非読んでみてください☆
さて、今号から(10月~)、新たなメンツが『をちこち』編集部に加わりました。せっかくなので、ちょっとここで登場してもらいたいと思います。
『をちこち』第20号の制作、お疲れ様でした。振り返ってみていかがでしたか?
はじめまして。『をちこち』サブ担当の内田です。『をちこち』流の編集スタイルは初めてということで、手探りしながらの作業でした。それだけに、完成本を手にしたときは感激もひとしお、やっぱり「嬉しいなぁ・・・!」という気持ちがこみあげてきましたね。写真の選定や原稿の校正など、すべての工程に関わるので手作り感があるというのでしょうか。編集スタッフはもちろん、色んな方の思い入れのつまった、温かみのある雑誌だと感じました。
特にお気に入りの記事はどれですか?
A:池澤夏樹さんと飛幡祐規さんの巻頭対談は、それぞれユニークな視点を持ち、ほかにも多くの執筆をされているおふたりが、フランスに移住して感じたリアルなフランスの文化を語るという贅沢な内容だと思います。私はこれをきっかけにお二人のほかの著作を読み始めて、さらにディープなお二人の世界にはまりました。『をちこち』の記事を入り口にして、そんな楽しみ方もお薦めですよ。
読者へのメッセージ、ひとこといただけますか?
私自身がまだ一読者の気分で楽しんでいますが・・・、『をちこち』は知的好奇心を十分に満たしてくれる、他にはない切り口が魅力の雑誌です。毎号新しい「発見!」をお届けしますので、どうぞご期待ください。
というわけで、『をちこち』のフランス特集号、どうぞお楽しみに!