Friday, September 29, 2006

はてな副社長・川崎裕一(id:kawasaki)さんからのメッセージ



私がジャパンファウンデーションをはじめて訪れたのが2005年5月27日。そしてジャパンファウンデーション(以下JF)が「地球を、開けよう。」ブログを開始したのが2005年9月1日です*1

ブログをはじめるに当たって私は

「ジャパンファウンデーションはただでさえ固いイメージであり、あまつさえ全然知られていないのだから、積極的にブログを見ている人たちに、職員じゃなきゃ分からない生のジャパンファウンデーションを伝えていかなくては意味がないですよ。」という意味合いのことをお話しました。今思えば大変失礼な発言だったと思います。

しかしながらジャパンファウンデーションの「地球を、開けよう。」ブログ担当者はひるむことなく実践を通じて示しました。そして時に毎日ブログを綴りました。

日々の活動を通じてより多くの人に分かり易い形で国際交流の姿を伝えていく、そしてJFの活動を伝えていくこの目標のために日々格闘をしてきました。

例えば独立行政法人ひろしといえどこんなやりとりをしているところは無いでしょう。


どうも、松岡です。

もう皆さんお気づきだと思いますが、このブログ、ちょっと書き方を工夫し始めました。

というのも、実は先週、このブログチームの他のふたりが、夜僕の席にやってきまして・・・・

「二人で話し合ったんだけどー、やっぱ今のままじゃだめだよ!」

「えっ!!、僕は僕なりにがんばっているんだけど・・・」




と、ダメ出しをされたわけです (T_T)

「写真を入れてこー」

とか、

「顔の絵を書こう」

とか(これは難しいので、顔文字に)・・・*1。

まあ、まだまだですが、少しずつ「JFの事業をわかりやすく」をモットーに、進めていきたいと思います。

地球を、開けよう。

また現場だからこそ出てくる悩みと思いというのもJFブログでは吐露されています。


ブログで実践しようとしていることではあるけれど、JFについてカンタンでウマく説明できるようにしたいよね。同時に、外務省やJICAやJETROやJBICくらいには、JFもちゃんと注目してもらえるようにならないといけないんじゃないかって危機感はかなり強いよ。

なんていうのかな、そもそもJFを知ってもらいたいし、その上、JFの中身も知ってもらいたい、なんてちょっと欲張りかもしれんけど(笑)。

地球を、開けよう。

「国際交流というと敷居が高くて、国際交流をしている人たちや団体ってプライド高そう。。」というイメージは上のような現場の声をブログを通じて直接訪問してくださったみなさんに伝えることによってのみ変えることができる。そして本当の国際交流の理解、JFの活動の理解はこのような思いと日々の活動によってのみに徐々に徐々に伝わっていくのだろうと思います。

微力ではございますが今後ともはてなとしてお力添えをさせて頂ければ幸いです。

一周年おめでとうございました。

川崎裕一









ブログを始めて早1年と1カ月。皆さんへのご報告です その3



しろ:はてなの川崎さん、最初に名刺交換したときに「副社長」って書いてあって、「ふ、ふくしゃちょおぉ!この人が!?」(失礼!)と思ってしまいました。だって、おしゃれな柄シャツにチノパン(ジーパンだったかも)という、知的交流事業では見かけることがムズカシイ、カジュアルでフレンドリーないでたちで現れたのですから。

その初対面から13カ月のあいだ、ウェブ2.0時代に必死で追いつこうとする私たち2人と1匹のブログチームに、いつもすばやく、クールなアドバイスをたくさんいただきました。

新聞紙上でも顔をみかけることがあり、「今話題のひと」と思いきや、オフィスを訪問したときも、打合せしながらPCをたたく・・・というマイペースな方でもありました。

JFとはてなをつなぐという以前に、私たちメンバーをウェブとブログの大海原に送り出し、支え、励ましてくれた川崎さんには、ほんと、感謝してます。(&ときどきキャラをうわさして楽しんでしまったことを、ここに告白します。・・・すみません!)
あ、ちなみに、私たちが訪問したとき、はてなのオフィスには届いたばかりでまだダンボールに入った、「畳」*1が積まれていました。「畳の上で仕事したら、楽しいかな、とみんなで思って。」という川崎さんの一言に、一同、絶句。そして、「楽しい☆」と共感したのでした。そんな、はてなさんの社風を知れたのも、目が開く思いでした。




:畳の話は確かにそうでしたね。楽しいからやる、こんな自然なことが自然にできる職場っていいですよねー。

はてなはアメリカ進出を果たして、日本語以外の言語による技術開発もしていると聞いております。ジャパンファウンデーションも、




日本の魅力を世界に伝える




ことをミッションにしている組織ですから、そういった意味でもますますコラボレーションしていければいいですよねー。



:せやね~。文化というものも、誰もが自由にアクセス/構築できる、興味深いデータベースと言えなくもないしね。*2

さて、実は川崎さんにご協力いただいて、ブログ開設前の昨年8月25日と、ブログ開設後、1年以上が経った今年9月28日の2回、人力検索はてなで「ジャパンファウンデーション、ご存じですか?」という同じ質問を行いました。その結果!

2005年8月25日

ジャパンファウンデーション、ご存じですか?









はい 24
いいえ 176




(母数200名中「はい」と答えた人が12%)

  ↓

2006年9月28日

ジャパンファウンデーション、ご存じですか?









ジャパンファウンデーション、ご存じですか?
はい 19
いいえ 81




(母数100名中「はい」と答えた人が19%)
ジャパンファウンデーションの知名度が7ポイントアップ!*3まだまだ「多くの人に知ってもらっている」とはいえませんが、1歩前進ってところでしょうか。




あ、先程の川崎さんからのメッセージには追伸が。


はてな内認知率も向上しているようです。成果は徐々に出ていますね。


とのこと!うーん、嬉しいですねえ!

さーて、そろそろ新ブログチーム登場準備が出来た頃かな?



しろ:新しいブログチーム(=第2期!)は、これまで以上にゲリラ的に、JFのなかの面白い話題を楽しく発信してゆくはずです。どうぞ彼らも鍛えてやってください。.m(_ _)m えと、しろうさぎは今後もときどきつぶやきを投稿させてもらいますので、また皆さんにお会いできるのを楽しみに、とりあえず今日は、引退・・・!とさせていただきます。どうぞみなさん、お元気で~~~。あでゅーーーー。*4



:あいつは行っちまったのさ・・・ってまあ、私も行くんだけれど。(笑)でも、「イノセンス」の素子みたいに戻ってきますよ、きっと。次はオタクネタか、文学や舞台のネタか、あるいは担当業務*5のネタか・・・いずれにしてもまたお目にかかれる日まで!




:はい。

ということで長々と話しましたが、とりあえず僕らのブログはここで終了です。

長い間大変お世話になりました。

繰り返しになりますが、これほどまでに続いてきたのも、毎日訪れ続けていただいた読者の皆様のおかげです。

今後の新生ブログにもどうぞご期待くださいませ~。

さよーならーーーーー★







(左から松岡・しろうさぎ・中島のイメージ画像)

f:id:japanfoundation:20060929171333j:image f:id:japanfoundation:20060929171332j:image f:id:japanfoundation:20060929171330g:image



*1:ちなみに英語ではTatami Mat っていうらしいです。Futonも英語になってますし、私の知り合いのドイツ人は、初来日で畳が気に入り、ホームセンターから10万円近くかけてtatami matsを母国に送ってました。

*2:はてなとジャパンファウンデーションで日本文化や世界中の文化に関する情報をCGM化!なんてね。もちろん、文化に関わる色んな情報が、色んな場所/レベルでアップロードされているので、テッド・ネルソンを引くまでもなく、ネットそのものが文化全般のデータベースなんだけれど、もっと有機的で豊かなものにどうしたらなるんだろう?と夢見てみたりします。by N

*3:び、微妙?

*4:退場の音楽は、「♪ミッフィ、ミッフィ、ミッフィちゃん。ながい~みみと、まるい~目が、す~て~き~~♪」希望。

*5:そのときも人事課なのかなあ・・・・




秋の国際交流イベントへのブース出展☆



秋のイベントの季節がやってきました。


ことしも、国内各地のさまざまな国際交流フェスティバルにジャパンファウンデーションは参加します。


http://www.jpf.go.jp/j/jfic/relation/festival/index.html


たとえば、今週末(9月30日、10月1日)には、石川県金沢市で「国際交流まつり2006」があります。ここでは「創造都市と多文化共生」をテーマに対談が行なわれますが、金沢国際交流財団プログラムオフィサーの岡部一郎氏と、わがJFICライブラリーの菅野幸子さんが出演します(9月30日午後2時~3時30分@金沢市役所)。





もう一つ今週末、東京で行なわれるのが毎年恒例、日比谷公園で開催される「グローバルフェスタJAPAN2006」です。ここでは、わが日本研究・知的交流部の佐藤万帆さんが「文化交流による国際貢献の可能性について」をテーマにワークショップを開催します(10月1日午後1時30分~2時30分@ワークショップテント・ターフ)。





こちらのほうは、在京の大使館も30館ほど出店するほか、例年200近いブースが軒を連ね、エスニックフードを提供する屋台なども出て、ご家族連れで楽しめます。週末、都心方面におでかけの皆様、お誘いあわせのうえお運びください。


わがジャパンファウンデーションのブースは、テント番号B-33です。スタッフを激励していただければ幸いです。


【予告】10月の末は名古屋へお邪魔します。





ブログを始めて早1年と1カ月。皆さんへのご報告です その2






:こんにちは、松岡です。今日は昨日の続きです。

昨日の記事で、「報告です!!」って言っておきながら、何も報告してないじゃん、と思ったそこのあなた!




正解です。




いや、報告しようと思ってつらつらと書いてたらつい長くなってしまいましてね・・・。




で!ですね、報告なんですが、このたび新たに




「ブログ『地球を、開けよう・』運営チーム」




なるものが結成されたのです!!

ブログの存在も少しずつですが組織内で認知され、今回はめでたく「業務命令」もでました。

まさに全組織としてブログやっていこうよ、という流れになってきたわけなんです(と勝手に解釈)。




ところで、




「業務命令」って聞きなれない言葉かもしれませんが、じゃあここは中島さん、お願いします。






:うわ、我*1ですか?!(苦笑)業務命令って普通の民間企業でもよく使われていると思いますが、部署の異動や役職の変更などの配置換えを伴わないで、特殊な業務に従事するよう命じるものです。*2




:それで、今回こうしたチームが結成されたのを気に、世代交代をすることになったのです。まあ簡単に言えば、










「ブログからの引退」




ですね。

とはいっても、書き手としては今後も登場予定ですので、ぜひお楽しみにしててください。どうやってやっていこうか、とかそういう運営部分を引き継いだわけです。

来月からは、新生ブログチームの新生ブログをどうぞお楽しみに。







おっと、ここで「至急電」が入ってきたようです。



*1:我と書いて、オレと読む

*2:だからといって、人事課長の手の甲に紋章が現れたり、3回しか使えなかったり、ってことはありません。by N




Thursday, September 28, 2006

ブログを始めて早1年と1カ月。皆さんへのご報告です その1



:どうもこんにちは。松岡です。

この「地球を、開けよう。」ブログが始まったのは、1年前の9月1日でした。

あれから1年と1カ月。更新頻度には「かなり」ばらつきがありながらも(苦笑・・)、何とか続けてくることができました。

これもひとえに、「独立行政法人のブログ」というマニアックなブログにおいで下さった、マニアックな(おっと失礼・・・)読者の皆様のおかげだと思います。

このブログを通じて、ジャパンファウンデーションってこんなこともやってたんだ、という発見をされた方も多かったのではないのでしょうか。ま、そもそも知らない人にとっては、なんじゃコリャ、というレベルからの発見だったのかもしれませんね。まあ、それはそれで僕たちの狙いどおりでもあったのですが。
そういった意味でも、より広く多くの方に、ジャパンファウンデーションという組織の存在を認知していただき、さらには活動内容も知ってもらおうという試みはそれなりにできたのではないかなと思ってますし、この活動はまだまだこれからも続いていきます*1

1年1カ月という、若干微妙では有りますが、まあ節目といえば節目ですので、これまでコアでブログを回してきた、中島さん(たぶんオタク)としろうさぎさん(たぶん女性)にも振り返っていただきましょうか。

それではまず中島さん。この1年と1カ月を振り返ってみて、1番思い出に残っていることってなんですかー??




:7月以来、2ヵ月半ぶりの登場となります、中島@まだだ、まだ終わらんよ(人事課の仕事が)!です。どうもご無沙汰しております。

一番思い出に残ってること・・・そうですねえ、私の仕事と直接関係しないオタクネタや文芸関係のネタを通じて、皆さんのブログでこのブログを取り上げていただけた、トラックバックを送って頂けたことですね。あんなネタを載せてもらった私もオカシイけれど、それを載せたJFもJFでオカシイくらい懐が深いと思う(笑)。
あと、個人的には、人事課の業務しか知らないから、ブログを通じてJFの事業や、JFの内外を問わず色んな方々に触れる機会が得られたことですね。イベントの参加者の方や新入職員からも「あの
オタクのブログの方ですか?」と聞いていだだけることもあったし。*2

しろうさぎさんは?



しろ:しろうさぎは、初期メンバー3人のうちの1人のピンチヒッター、代打の切り札として登場しました。*3

しろうさぎにとって、ブログは「よくわからないもの」であり、しばしば「デジタルデバイドを感じさせてくれるツライもの(特にN島オタクさんと自分を比べると!!)」でもありました。「トラックバック」という言葉を知ったのも、このブログを初めてからだし、「ウェブ進化論」を読んでカンドウ!!!して一時期ブログにごごごご~~~~と燃え(萌え?)たりもしました。そんなすべてが、思ひ出です。ぐすん。

あ、あとは、業務上、よく外部企業の方とやりとりをするのですが、ポスターとか広報物のデザインについて、打合せする際に、デザイナーの人に、「ウェブサイトとブログを見てみて、JFのイメージをつかんでみてください」と言って、このブログのフレンドリーな雰囲気も取り込んだりしました。そんな、「逆輸入」もできたのが、よかったです。




:そうそう、しろうさぎサンは非常に行動派ですよね。

僕が覚えている(と同時にうけた)のは、「アフィリエイト」なるものを知って、速攻一攫千金を夢見てブログを4本くらい始めてましたよねー(笑)。あれはどうなりましたっけ(すいません、意地悪な質問で)。

はい、それはいいとして。

僕も数々の思い出がありますよ。
トラックバックをくれた人にプレゼントなる企画をやったときなんかは、どれだけの人が応募してくれるのか超不安でしたし(こちら)。でもこの企画、企画への応募のためにブログを立ち上げた人もいれば、ブログ上での出会いをきっかけにうちのオフィスで実際にお会いすることになったり、大成功でしたね(ebishuuさんaisyuno_3rdclaさんdzd12061さん、その節はお世話になりましたー)。*4

他にも世界中に事務所がある利点を生かして、世界のクリスマス特集なんかもやりましたね(こちらなど)。

そうそう、職員採用の時期なんかには、ホームページとかでは書きにくいような情報提供なんかもひそかにしてましたよね、中島さん?




:ゑ、職員採用については、オタクネタや時事ネタに比べれば「密かに~」でも、「書きにくいような情報~」ってほどでもなかったけど(笑)、職員説明会のライブ報告が出来たのはよかったのかな。

きっと説明会にいらっしゃることができなかった方にとってもJFの職場の雰囲気を知っていただけたと思うし、公式の職員募集ページに書かれていない補足説明も書いてあるので、来年度以降に職員採用試験を受験される方にも読んでいただきたいなー。




:そうですね。

しろうさぎさんは途中からの登場でしたが、知的交流関係の記事が多かったようでしたけど、何かご関係があるんですか?




しろ:な、なんか、しろうさぎのヒミツが暴露されようとしてる話の流れダナ・・・汗。しろうさぎは、社内的にも、社外的にも、自由な立場から書けるように、ということで、JFブログ初!のハンドルネームを使わせてもらってます。今後も、ときどき登場したいと思ってますので、引き続きヨロシク☆

「知的交流」については、ムズカシイとか、ワカリニクイとか、エラソウとか、知的交流事業をやる人はみんな知的なんですか?とか、いろんなことを言われますが、かめばかむほど、味がでてくる、とってもおもしろい分野です。学会交流、研究者交流、有識者会議・・・それらとの差別化を考え、社会への知見を国際交流を通じて発見・発信してゆく・・・深いですよね。あ、またムズカシイ、ワカリニクイことを語ってしまった!

まあ、そういうことも、砕いて語れる機会が、このブログにはありますので、ひきつづき、「知的交流」もおもしろく紹介したいですね。

(明日に続く・・・!)



*1:こういうこと書いているからといって、終了宣言!!というわけではありません。

*2:で、そのつど「いや、それは別の部署の中島さんです」と答えておきました。

*3:3人のうちのあと一人が誰だったのか、、、は、このブログ初期から見ている人だけはわかる・・・ということで

*4:企画を発表してから、どうやって本を受け渡すかで悩んだけどね(苦笑)by N




Wednesday, September 27, 2006

「石内都 :mother’s」展 開催中です。






みなさんこんにちは。松岡です*1





今日は、現在東京都立写真美術館で開催中の「石内都 :mother's」展のお話です。




この展覧会は、2005年にヴェネチアで開催された「第51回ヴェネチア・ビエンナーレ 美術展」(こちら)の日本館アーティストとして出展した石内都による展覧会の、日本帰国展です*2


ジャパンファウンデーションは、このヴェネチア・ビエンナーレで日本館の展示主催者として関わってきました。





今回は、先日の内覧会に潜入してきたトモイさん(新キャラ)に、展覧会の模様をリポートしていただこうと思います。


よろしくおねがいしまーす。






現在、東京都写真美術館で行なわれている、「石内都 :mother's」。


今回の展示は、昨年の第51回ヴェネチアビエンナーレで石内氏が自身の母親の遺品を撮影した作品で日本館を飾った展覧会の完全版となる。


彼女自身、この東京展の展示が『mother's』の最高の状態と語っていたように、これは単なる巡回展ではない。


今回、ベネチアでは未発表だった5作品に加え、新作の映像が1作品、計41作品が置かれている。


ヴェネチアから更に進化し、これ以上は何も足されることのない完全版だ。


映像の展示には最新のプロジェクターを使用し、ベネチアの展示を超えるクオリティだという。


ヴェネチアビエンナーレ同様、空間の使い方にもこだわりをみせている。


会場に入ると、静かに流れてくる『G線上のアリア』。


広い空間には大、小、それぞれの写真があるべき場所に収まり、奥にはスクリーンに映し出される鮮やかな映像。


皮膚。身体の一部。下着。口紅。靴。ブラシ。着物・・・。


「全身にまとわりつくきものは皮膚のひとつだから、一度着たきものをもらうのは他人の皮膚をもらうのと同じことでもある。」と石内氏が過去に記しているように、彼女にとって、身につけるものに対する思いは人一倍強い。


彼女の母が残した、誰かが着るわけにはいかない下着。


これらの遺品と向き合った彼女は、「もう、着る人はいない。」という現実に改めて直面し、想像を超える喪失感を味わうことになる。


この体験をきっかけに、『mother's』は始まった。


大きく引き伸ばされた写真は、想像していたよりとても迫力がある。


”母”という存在が、もはや撮影した石内氏を超えて、見るものすべてにぐっと迫り来る。


そして、”母”が”女性”であるということを、この展覧会は強く我々に語りかける。


観客はこの展覧会を通して、石内氏を自分に置き換え、個々に色々な思いを抱くに違いない。


「今回の展覧会で、遺品が(私の中で)遺品ではなくなった。作品が私の手を離れてゆくなんともいえない、心地よい感覚。・・・次は違うテーマで新しい作品をつくりたいと思っている。」と清々しく述べる石内氏が印象的だった。


過去の歴史と現在の空気を、未来につなげる。


石内氏は、この作品を完成させ、次に向かってもう歩き始めている。


「石内都 :mother's」 11/5(日)まで。東京都写真美術館にて開催中。


(text by トモイ



既に多くの方が色々なブログで本展の感想を書いてらっしゃいました。


トモイも「見るものすべてにぐっと迫り来る」と言っているとおりましたが、展示作品の持つ圧倒的な「何か」についてかかれているブログもいくつかありました。izmsさんもそんな一人。






・・・・。が、その写真の放つパワーみたいなのはずっと印象に残っていて、今回、亡くなったお母様の遺品を撮ったこの展覧会に興味を持ったわけ。実際、広告に使われている緑色の口紅の写真、すごいインパクトだったし。・・・・


ハハモドキ




Cobwebさんは、「写真から気持ちが伝わると」コメントくださってました。


凄いインパクトでありながら、「展示を見ながら泣きそうに」なったり。ブログの文面からも、本展の雰囲気がひしひしと伝わってきます。






展示を見ながら泣きそうになって、でもさすがにここで泣くのはーーーと思って、我慢して、あんま長いこといれなかったけど、もっといたかった。
でも泣きそうだから出て来てしまいました。
石内さんが亡くなったお母さんの衣服や、化粧品などを撮ったものなんですが、たぶんあの展示を見た人は皆自分のお母さんのことを思い出しながら、重ね合わせながら見て、すごいせつない気持ちになるんじゃないかな、というか私がそうだったです。
写真から気持ちが伝わると思いました。
だからぜひ行ってみてください
まだ始まったばっかで今日もすごい空いていていいです!
ぎりぎりに行くと混むと思うし、すいてる時に落ち着いてみたほうがいいと思いました。


Cobweb



11月5日まで開催中ですので、まだご覧になっていない方、ぜひ写真美術館へ*3




*1:インターン生特集ばかりが続いてしまって、だいぶ通常記事のブランクができてしまいましたね。失礼いたしました。近日中にとある発表がございますので、どうぞお楽しみに★


*2:ヴェネチアでは美術展と建築展が毎年交互に開催されていまして、本年は建築展が開催されています(こちら


*3:そして10月21日からは、同じく写真美術館で、現代建築に関する展覧会も始まりますよー。こちらはまた後日。詳しい情報はこちらへ。





Friday, September 22, 2006

◎インターン生特集◎その11 郡山さんの場合



立命館大学国際関係学部の郡山です。8月28日から9月9日まで、日中交流センターでお世話になりました。





大学生生活四年間、なんとも中国と縁のある日々である。


ちょうど大学に上る頃は、世間は中国の経済成長の躍進ぶりに目を奪われ、中国脅威論がまかり通っていた頃。そんなわけで、正直時流に流されるような形で第二外国語は中国語を選びました。ニィハオ。ウォシィリーベンレンの練習のスタートです。





初めて中国に渡ったのは、一回生の春休み。一回生から二回生へのスイッチの期間に、天津に約五週間南開大学で短期留学。二回目は、二回生の夏に北京で、一カ月間の日本語教師体験インターンシップ。なので、今夏のインターンシップは二回目になります。三回目は、正月に一人で神戸から上海までの船旅。立つと、見えない誰かに頭を激しく振られているような感覚になる船酔いを堪えての48時間の船旅でした。四回目は、去年の夏から今年の春までの香港での留学。大陸とはまったく違う空気が流れる何とも魅力的な街で、勉強に励むというよりも香港の魅力にとりつかれ、しょっちゅう街をフラフラしては写真を撮っていました。香港留学中は、台湾に一人旅したり、大陸を長距離列車で旅行したりと旅行三昧でした。





そんなこんなで、五回目の中国との縁は、大学の掲示板にひっそりと隠れていました。国際交流基金でのインターンシップ、再募集の告知です。基金にはまことに失礼ですが、関西・東京とも何故か二次募集まで手付かずの状態でおかれてたんですよね。今でも不思議です。何故まかりなりにも、「国際関係」と名のつく学部の学生が一次募集で応募しなかったのか!?ちなみに僕は、一次募集期間はまだ日本に帰っていなかったので、応募のしようがなかったからしょうがありません。





さて、帰国後は日本語教師に関心があり、今後の研究分野も日本文化論と決めていたので、国際交流基金はまさにうってつけのインターンシップ先でした。即断即決、他に応募者がいないことを願いつつ願書提出。希望配属先は日本語事業部、もしくは日本研究課でした。面接、そして採用。よかったよかったと喜んでいたら、配属先はなんと「日中交流センター」へ。香港留学の経験がり、中国語に達者そうであるから、という理由書きを見ておもわず噴出してしまいました。あぁ、やっぱり中国との「縁」は切れないのか、と。





正直田舎モノであるので、アーク森ビルの中に入るのすら最初は緊張してしまっていました。あぁ、何て場違いなところに来てしまったのだろうかと初日は廊下を歩くたびに思ったもんです。





インターンシップ期間中の日中交流センターは、「中国高校生長期招へい事業」で大忙し。大学生の留学生というのは、大勢日中間で行き来していますが、高校生となるとそうでもない。しかも今回は十一カ月もの長期間に32名の子どもたちが来日する。そんなことは今回が初めてのケースとのこと。





初日から最終日まで、各担当者の方のサポートに徹する日々。気分はまるで、最前線の戦場で駆け回る補給部隊のような感じでした。実習期間中にしたことといえば、高校生のプロフィールの翻訳と、データ入力、ファイリング、歓迎会の招待状の送付、出欠の確認と管理、受け入れ先学校への電話連絡などなど・・・朝机に向かって、気がつけばもう定時になっているという毎日を繰り返していたら、あっという間にインターン期間が終わってしまっていました。仕事は時に切羽詰って、てんてこ舞いになるときもありましたが、基本的に毎日の業務は楽しくやっていました。9月7日には無事高校生が日本に到着、9日には各学校へとみんなが旅立っていくところ見届けて、僕のインターンシップも終わりを迎えました。





「国際交流」と一言に言っても、その実態は9割がデスクワークと、各関係機関との連携。そういったごくごく当たり前のことを体で再確認する良い機会でした。「国際交流」という舞台で活躍する役者は、留学生・研究者・技術者など。日々デスクワークをこなし、裏から舞台を支える裏方の仕事を担当するのはスタッフ。過去に何度も、短期・長期の留学プログラムなどに参加してきましたが、今回は裏方に回りました。今回のインターンシップは、過去の中国との「縁」に対する恩返しであったと考えています。今までは、ただただ色んな人にお世話になって送り出してもらうばかりだったけれども、今回32名という日中双方にとっての、希望と可能性の塊を日本に招く仕事に微力ながら参加することができて、非常に光栄に思っています。一年後、彼らがどう成長しているかが楽しみです。





日中交流センターの皆さんからは、毎日いろんなことを勉強させてもらいました。今後も何かあれば是非お手伝いしたいと考えています。まだまだ僕と、永遠の隣人である中国との「縁」も続くようです。





Wednesday, September 20, 2006

◎インターン生特集◎その10 片岡さんの場合






みなさん、こんにちは!

9月4日から22日までの3週間、国際交流基金芸術交流部トリエンナーレ準備室でインターン研修をしました学習院女子大大学院、国際文化交流研究科の片岡裕子です*1。「日本文化の発信や国際交流になんらかの貢献ができれば・・」との思いから文化政策やアートマネジメントを学んでいる私にとって、基金で過ごした3週間は、刺激と充実の日々、まさしく“日常からの跳躍 Jumping from the Ordinary”といえる毎日でした。今回このような機会を与えてくださった国際交流基金と学習院女子大学に深謝申し上げたいと思います。


私と国際交流基金との出会いは、やはり“横浜トリエンナーレ”においてでした。さかのぼること9ヶ月前、第2回横トリのキュレーターを務められた芹沢高志氏が大学に来られ、「トリエンナーレの現場から」というテーマで講義をされました。「現場ってなんて面白いんだろう!!」と言い知れぬ高揚感で居ても立ってもいられなくなった私は、講義終了とともに大学を飛び出し横トリ会場へ直行。くしくもその日は芹沢氏ご自身がガイドツアーの担当だったので、「えっ!!君、また来たの?」と苦笑されながらも、詳しい解説とともにアート作品一つ一つを丹念に見て回るという幸運な体験をいたしました。「アートマネジメントを勉強したい!」という気持ちを決定的なものにしたこの日の感動を、くしくも今こうしてトリエンナーレ準備室でインターン研修をさせていただきながら、不思議な感慨とともに懐かしく思い出しています。


このことがあってからというもの、すぐさま“JFサポーターズ”に登録し、会社説明会に出席したり、ゼミの研修で基金を訪問しブリーフィングを頂いたり・・とできる限りの情報を集め、基金の活動について“知ってるつもり”にはなっていましたが、やはり言葉での理解と、実際に実務体験をさせていただくのは大違い。横トリで私があのように感動できたのも、トリエンナーレ準備室の皆さんの地道な業務と果敢な挑戦があってのことだったのだ・・と目からウロコの日々でした。


インターンで私がさせていただいた主な業務は・・・、


①横浜トリエンナーレ招待客の名簿整理 


(個人情報管理の責任の重さを実感! 横トリの広報戦略について考えながら作業を進めました。)


②トリエンナーレを記録したDVDのチェック


(横トリができあがっていくプロセスをくまなくチェック!)

③巡回展「現代日本デザイン100点」、「日本の現代写真―1970年代から今日まで」(仮称)出展作品の台帳作り*2


(世界中を巡回する日本のアート作品の画像を取り込み、明細を書き込む作業。キッコーマン醤油のビンとか、無印良品の家具とか・・私たちにおなじみのメイド・イン・ジャパンのデザインが世界の人々の目にはどのように映るんだろう??と遠く思いをはせながらの楽しい作業でした。これこそ日本文化の発信!)


④巡回展 出展作家の経歴と作品解説英訳の校正


⑤図書整理


⑥巡回展に出展する写真の撮影、整理(倉庫にて)


・・・などなどでした。


そんな日常業務の合間に、出張から戻られた方たちから上海ビエンナーレ、シンガポールビエンナーレ、ヴェネチアビエンナーレのお土産話を伺ったり、図録やスライドを見せていただいたり、講演会やフェロー勉強会、日本語教育助手の方たちの帰国報告会等各種イベントに参加したことも、刺激的な経験でした。

なかでもオーストラリアの美術評論家ジョン・マクドナルド氏を迎えての講演会『豪州:多文化社会における現代美術』では、「どの国の人間であるかというナショナルアイデンティティーは、もはやさほど重要ではない。ひとりひとりの内なるアイデンティティーのなかに複数の異なる文化を抱えることが肝要である」といったメッセージに深く納得しました*3


またフェロー勉強会で、アメリカの博士課程の日本文化研究者たちの発表を聞いたことも大きな収穫でした。「日本人はなぜラーメンが好きなのか?」というユニークな切り口で日本の食文化と政治経済との関連性を分析するという興味深い研究発表を、通訳なしの英語で聞いたのは、まるで一日留学体験をしたようなエキサイティングな体験でした。発表後の懇親会で、何人かの外国人研究者と和気藹々とおしゃべりしたのも楽しい思い出です。「マンガやアニメ、オタクなどクールジャパンといわれるポップカルチャーが世界中で人気だが、日本文化について何も知らない人にオタク文化だけを強調して紹介するのはいかがなものか?」という鋭い指摘がアメリカ女性から飛び出したりして、考えさせられました。


そんなこんなで、瞬く間に過ぎていった3週間。最後に私のインターン研修を支えてくださったトリエンナーレ準備室の伊東正伸室長、小山奈緒美さん、松岡裕佑さんに、心からの感謝を申し上げたいと思います。


伊東室長へ・・上海ビエンナーレのお話ありがとうございました。『アートマネージメント』


(武蔵野美術大学出版局)は私のバイブルです!修論がんばりま~す。(^o^)丿


小山さんへ・・インターン初日の朝、緊張と不安でカチンカチンの私を出迎えてくださったのは小山さんの柔らかな笑顔でした。小山さんの笑顔となめらかなお話にすっかり肩の力が抜け、(抜けすぎたのでは??・・と今になって少々反省(^^ゞ)、リラックスして業務を開始することができました。ベネチアビエンナーレのお話もありがとうございました!


松岡さんへ・・いつもさりげなく適確にエスコートしてくださり、私にとってこの上なく頼もしい上司でした。イベントに参加できるように勧めてくださったり、他の部署の方と知り合えるようにお昼をセッティングしてくださったり・・と、松岡さんの粋なはからいのおかげで、3週間のインターン生活が本当に楽しく充実したものになりました!m(__)m



決して潤沢とはいえない文化予算、税制優遇措置の未整備、指定管理者制度などの制度改革など、日本の文化をとりまく状況は厳しく、ともすれば肩を落としてしまいがちですが、国際交流基金のみなさんは笑顔が素敵です。(^o^) 日本の文化力を推進するためには、ひとりひとりが文化力、つまりソフトパワーを持たなければならないんだということを実感したこと、これがインターンで得た一番の収穫だったかもしれません。残念なのは、一般の人に基金の活動がまだ十分には認知されていないような気がすることです。文化を裏から支える名脇役として、国際交流の水先案内役として、基金のますますの発展と第3回横浜トリエンナーレの成功をお祈りしています。基金のシンボルのあの紫色の蝶々のように、私もこの経験を糧にしてのびやかに前進していきたい、と思います。ありがとうございました。




*1:こんにちは、松岡です。久しぶりの登場です。そういえば異動をしてから自分の仕事のことを書いてなかった、と片岡さんのブログを読んできづきました。隣の課の造形美術課の仕事の様子とあわせてお楽しみください。結構地味です。


*2:これは僕が今担当している造形美術課の業務です。さりげなく手伝ってもらいました。


*3:ジョン・マクドナルド氏はオーストラリアを代表する評論家で、オーストラリア最大発行部数を誇る新聞で美術評論のページを持っているほどの方です。僕も参加しましたが、オーストラリアに引き寄せられた多くの「外国人」の目を通したオーストラリア美術の話は大変興味深かったです。





Wednesday, September 13, 2006

◎インターン生特集◎その9 田邉さんの場合



こんにちは、跡見学園女子大学ニ年の田邉です。


今回二週間のインターンシップで国際交流基金会計課でお世話になりました。





私が今回のインターンシップ先に基金を選んだのに正直理由はなく、本当にたまたまといった感じだったのでインターン直前でこんなんで行っていいものかとかなり焦りました。しかもよく基金について調べていなかったために、私が勉強中で将来役立てたいと思っている簿記の世界とは無縁であったことに入ってから気づき焦りは最高潮でした。





私が国際交流基金に持っていたイメージはオフィス内では英語が飛び交い、外国の方としょっちゅうすれ違うというものでしたが実際のオフィスはとても静かで落ち着いていました。基金内で外国の方と会うこともめったになくて少々のギャップを感じました。





実際に私がした仕事といえば会計に関するエクセルの入力、電話応対などです。あと会計課の仕事のひとつである「営繕」のおてつだいもしました。具体的には新しく使用する部屋のお掃除です!!担当の加藤さんと床のしぶといしみを必死でとりました。慣れないオフィス内では緊張してしまいがちだったのでこんな時間は私にとってホッとするものだったりしました。





会計課の全体の仕事の流れなどの説明をしていただいて、私が簿記の勉強をする上ででてくる用語が実際に伝票に書いてあるのを見たときは「本物だ!」と思いました。仕事の内容すべてを理解することはもちろんできませんでしたが簿記を学ぶ上で少々の前進があったのでは?と思いました。そしてなによりこのインターンで私にとって刺激になったのは、毎日のように様々な課の方とのお昼をセッティングしていだだいて様々なジャンルのお話を聞く中で、自分がいかに狭い視野の中で生活していたかということに気づいたということだと思います。





私は海外に興味はあるし、様々な国に行ってみたいと思っていましたが実際なんの行動も起こしていませんでした。国際交流基金とは文化という国際財を通じて国と国、人と人が交流し、相互理解を促進するという機関です。海外に行って私は果たしてどれだけ日本のことを伝えられるか、そして日本をどれだけ客観的に見れているか・・・全くもって自信がありません。まずは海外に行ってそれを実感してみたいと思いました。





そしてやはり社会に出る前に社会人の苦労を知れたのはよかったと思います。毎日同じことの繰り返しであることをしみじみかんじました。。。土曜日疲れてぐったり寝ている父に「遊んで!」とせがんでいた幼き日の私を思い出し、今なって少々の申し訳なさが。。。父は偉大でした。





本当に毎日楽しくてあっという間に十日の月日が経ちました。今になって思うと簿記に進路をこだわらず国際交流基金にきて多くの刺激を受けることができたことはとてもよかったです。至らない部分は多く、迷惑をかけたと思いますが皆様のおかげで無事インターンを終えることができました。この場を借りてお礼申し上げます。





ありがとうございました。





Tuesday, September 12, 2006

◎インターン生特集◎その8 中原さんの場合



初めまして、跡見学園女子大学マネジメント学部2年の中原朝子です。




大学では、田中稔久先生の国際文化交流という実践ゼミナールに所属しています。私の学部では2年次に全員がゼミに所属し、授業の一環としてインターンシップを夏期休業中に行うことになっています。所属しているゼミによってはインターンシップ先は様々ですが、私のゼミでは行政法人や外資系のホテルなどが多くありました。私は大学でも、NPOや舞台芸術、ボランティアに関係している科目を多く履修しているので、ホームページを見て、国際交流基金へのインターンシップを希望しました。授業中に、横浜トリエンナーレについてビデオを見たことがあり興味があったのですが、その時点では国際交流基金についての知識が全く無かったため(ごめんなさい・・・)、こちらで活動紹介ファイル*1等を見て、主催が国際交流基金だということを知り、とても驚きました。





私は、情報センター(JFIC)ライブラリーで約2週間お世話になったのですが、最初のうちは一体図書館でどんな仕事をするのだろう、図書館が国際交流基金の行なっている事業にどう繋がっているのだろう、と思ってました。しかし、仕事はたくさんあるんです。





・ 配架


・ 朝刊、夕刊の準備


・ 国際交流基金の活動紹介ファイルの記入・整理


・ 本の番号シールの張替え





・・・などが私の主な仕事なのですが、活動紹介ファイルの整理をしていると、国際交流基金は実に様々な事業やイベントを行なっているのだなということに驚かされます。もし知っていたら私も参加したかったのに!! と思うようなイベントが沢山ありました。





また、インターン生のためのレクチャーにいくつか参加させていただきましたが、どなたのお話も大変興味深くとても参考になりました。お話を聞くだけではなく、他のインターンの方々と意見交換したり、質疑応答したりと有意義な時間を過ごすことが出来ました。





今回のインターンシップでは、色々な体験をしたりお話を聞く事ができ、大変充実した2週間を過ごすことができたと思います。この場を借りてお礼申し上げたいと思います。皆様本当にありがとうございました。




*1:ジャパンファンデーションが実施するイベントや会議の概要をまとめた「活動紹介ファイル」はJFICライブラリーでご覧頂けます。チラシやポスター、視聴覚資料などのビジュアル資料を中心に事業の全体像がまとめられていますので、ぜひご活用ください。。                                                           活動紹介ファイルの一覧はこちら!!                            活動紹介ファイルのサンプルはこちら!!





Wednesday, September 6, 2006

◎インターン生特集◎その7 後藤さんの場合



みなさん、はじめまして!


8月10日~23日までの2週間、埼玉県の浦和にある「国際交流基金 日本語国際センター」の研修事業課でインターンシップをさせていただきました、法政大学国際文化学部3年 後藤香央里です。





文章を書くのは大好きですが、残念ながら決して得意とは言えません……が、インターンで感じたことを綴りたいと思います。どうか最後までお付き合いください。





日本語国際センターには、世界各国で日本語を教えている日本語が母語ではない先生方が、自らの日本語能力や教授法の更なるスキルアップを目指して研修にいらっしゃっています。私がインターンをしているときはちょうど、夏の短期研修(26カ国から56名)と韓国研修(50名)の方がいらっしゃっていました。





私の仕事はというと、授業の時に先生のアシスタントをしたり、コピーや資料の整理などの事務作業をしたりすることでした。恥ずかしながら英語がほとんどできない私にとって、日本語で世界各国の方々と交流できたこの夢のような期間は本当に実り多きもので、考えることがたくさんありました。とても積極的な研修生の方々からは、日本や日本人に関する質問をたくさん受けました。





 なぜ身内を紹介する時褒めないの?


 なぜ電車で目が合ってもスマイルを返してくれないの?


 なぜ店のシャッターが閉まっているのに、シャッターに向かって礼をしているの?





こんな私たちが普段意識していないような質問から、自殺や虐待、政治などの現在日本で問題になっていることまで、若者として、大学生として、女性として今私が考えていることを答えとして伝えました(はっきりとした答えが出せない質問や、答えのない質問もたくさん受けましたが)。





研修生の方々は自分の国と日本の文化の“違い”をきっかけに、様々なことに興味を持っているようでした。


国や地域、民族、宗教、性別、年代などが違えば、文化や考え方に“違い”が生まれるのは言わば当然です。しかし現在の世界では、それが原因で争いが起こることもあります。





この“違い”をマイナスにではなく、研修生の皆さんのようにプラスに、他の文化を知り、理解するきっかけとして捉えることができたら世界から戦争や紛争などの争いは今よりずっと少なくなるのではないか…。


研修生の方々とお話させていただく中で、そんなことを考えました。





インターン期間中は、研修生の方の授業などにも一緒に参加させていただく機会もいただきました。


茶道、日本の伝統的な音楽、日本の地理・歴史、落語の講演会など参加するたびに、自分が日本人でありながらどれだけ日本のことに対して無知かということを思い知らされました。


将来、時間とお金に余裕ができたら外国の方に紹介できるような日本の文化を何か一つでも身に付けよう!そう心に誓いました。





この2週間は普段のアルバイトとは違った“働く”ことを経験したり、国際交流をしたりと本当に充実した毎日でした。


このインターンで学んだこと、考えたことを無駄にしないよう今後にしっかり生かしていきたいと考えています。





このような貴重な機会を与えてくださった国際交流基金の皆様、様々なご指導やお気遣いをいただいた日本語国際センターの職員・スタッフの皆様や先生方、優しく声をかけてくださった研修生の皆さん…インターン中にお世話になった全ての方々にこの場をお借りして深く御礼申し上げます。





そしてつたない文章を最後まで読んでくださったみなさま、どうもありがとうございました!





Friday, September 1, 2006

◎インターン生特集◎その6 橋本さんの場合



<<国際交流基金での2週間インターンシップを終えて>>







早稲田大学国際教養学部の橋本です。







あっという間の2週間でした。国際交流基金さんには以前より興味を持っていたので、ぜひインターン生として受け入れてほしいと直接交渉に臨みました☆最初は緊張で一杯だったけど、実際に現場にでて働いてみると職員は皆やさしく、アットホーム♪な雰囲気ですぐに基金が大好きになりました!







2週間という短い期間だったけれど、多くの会議に出席させて頂いたり、著名人からお話を聞けたり、大変貴重な経験をさせて頂きました♪特に心に残っているのは、日韓関係についての会議でした!外務省や民間財団を交えての会議は、経済や政治、文化交流といった多角的な視野から日韓問題について討論するもので本当に楽しかったです!! (≧▽≦)







そこで一番感じたのは、もっと各機関が情報を共有しあい長期的効率性のある事業を展開していく必要があるのではないかということでした。







例えば、青少年事業は基金の目玉でもあると思いますが、日韓文化交流に取り組む機関の多くはどれも同じようなプログラムを用意し、各機関が独立して事業をしていました。率直なところ、「う~ん、これって効率的なの?協力し合えばより大規模な事業が出来るのでは?」って感じでした。今後、より情報共有システムを発展させれば、市民を巻き込んでのより内容の濃い事業の展開も可能になるのではないのかなと思いました。










外務省や主要な経済機構が一同に集った今回の会議をきっかけにして、各機関がより情報の流動化を図り、さまざまな視点から日韓交流を促進できる柔軟な姿勢こそが今後必要ではないのかなと強く感じました。政治、経済、文化はいずれも相互関係にあるし、各分野の主要機関がもっと連携できればBetterだと思います☆その中で、海外事務所会議でも多く指摘されていたように「基金らしさ」のでる事業を推進していってほしいなってと思いました☆☆各機関や企業のコラボ事業も実現すれば面白いなと思います(*^o^*)







もう一つ、研修中に感動的なお言葉を小川課長より頂きました♪それは、世界には「貧富の差」「誇りの差」(誇りの不平等)の2種類の差があるというものでした。経済開発学を勉強した自分にとって、これまでは「裕福=幸せ」という偏った見方しかできていなかったように思います。でも、確かに世界には貧しくても自分の伝統文化や風習を愛し、幸せな生活を送っている人々がたくさんいます。







そうした誇りの差(自国の文化を誇りに思う国民の気持ちには差異がある)を縮小しつつ、世界の人々が自国の文化を愛し、それを世界にむけて発信できる世の中が訪れたらなんと素敵なことでしょう!そう考えると、文化交流事業が果たす役割というのは無限大です!!そうした、グローバル化の進展する世界で失われつつある伝統文化をもっと世に広め、より良い相互理解へと繋がればこれ以上の幸せはないなーって思いました(*'ー'*)







「古きを知り、新しきを知る」







このスタンスも国際交流では重要なんじゃないかな~







最後に、小松部長が「東アジア共同体」への思いを熱く語ってくれたことが印象的でした!めっちゃかっこよかった・・(=´▽`=)(←隠れ小松部長ファンww)







水面下での外交問題こそあれ、基金では誰もが自分の担当地域との交流を促進させようと必死になっています。確かに、ここでの事業は人と人とを繋ぐ「裏方」的役割であるかもしれないけれど、そうした草の根レベルでの事業が国境を越えた人と人との「出逢い」を生み、世界平和に貢献するって考えたらこんなに生産的でやり甲斐のある仕事はないですよ!!(←マジで!!)






「東アジア共同体は俺が生きている間には無理だろうな・・」って呟いていた小松部長。。必ずや僕らが東アジア共同体を実現させてみせますっ!!(←責任重大^_^;;)*1







長文になっちゃった。。ホントはもっと書きたいことが山ほどあるけれど、ここらへんで終わりにします☆出来るだけ硬くない文を書いてくれと言われたのですが、無茶ですよ~!>< お世話になった基金の職員の方々、貴重な経験をさせて頂き本当にありがとうございました!来年はみなさんと一緒に働けることを心より願っております!(笑)







*    *    *

ということで、橋本さん、熱い熱いメッセージをありがとうございました。

(申し遅れました、しろうさぎです。)

橋本さんは、「熱き学生魂」を体現したような方で、

少しだけではありましたが、ブログを通じて一緒に

お仕事する機会があって、ゲンキをたくさんわけてもらいました。




いろんな機関が連携すれば、効率的に事業ができる・・・って、まさに

そのとおりですね。

世の中、「そのとおり」なことを実現するために、いろんな障害があるわけですが

それを乗り越えて、全体で大きな「プラス」を作れるように、日々大きな視点から

物事考えないといけないな・・・ってことですね。




そして、「貧富の差」と「誇りの差」は違う、という話。

私たち人類の究極の目的が「幸せな暮らし」だとすれば、

目指すべきところは「富の拡大」ではなく「幸せの拡大」です。

そのために、文化交流ができることって、何でしょうか。

自分の文化に「誇り」を持ちつつ、他の文化も同じように尊重するためには

どうしたらいいのでしょうか。

答えのない問いに、取り組んでいく・・・という実感が常時得られるわけではないのですが

(それはこれまでのインターン生皆さんからの「国際交流をやっている実感がうすい」

「事務作業が多い」etcというコメントから浮かび上がってきますよね)、

それでも、そういう視点を忘れずに、やってきた先人たちが、すばらしい業績を残している。

若手スタッフも、先人と、学生との間にいて、どちらにも負けてられないな、

と思います☆

橋本さん、おつかれさまでした!!!

しろうさぎ



*1:9月6日に、JFサポーターズクラブのイベントに、小松ブチョウが登場します☆ファンの方(?)は必見ですネ。